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トンボめがねの超絶美少女  作者: にごらせ生茶
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寝坊して午前休になりました②

 […ぐるるるるるぅぅ…]


 篤郎のお腹が大きく鳴る。昨日深夜にシャワーに入ったり、頭をいつも以上にフル回転させるような事態が起こり、さらに朝食を寝過ごして取っていないためにとても空腹だった。胃も少しもたれている感じがする。


 「…あ~…いたたっっ…腹が減りすぎてもたれてるよ…。なにか食べないとだめだ…。力が全然でない…」


 篤郎はしおらしくそう言うと少しソファにへたりこみ髪をくしゃくしゃとやった。そしてすぐに気を取り直し、起き上がった。


 洗面台でさっとマウスウォッシュを口に含み口をすすいでペット吐き出した。顔もぬるい水でバシャバシャと洗ってタオルで拭きながら台所に戻ってきて水道水を一杯飲んだ。


 コップが3つ流し台横の水切りかごに綺麗に並べてある。


 「…あれ…。洗ってあるな…。昨日は流しに3つ置いてあったのに…」


 篤郎は自分が洗った記憶のないコップが洗われているのを訝しげに見つめた…。昨日のことを思い出した。


 「あっ! 彩、あおいちゃん、彩芽ちゃんだ! …昨日、泊まって行ったんだったか! 3人はどうしたんだ!? 昨日あれだけへばっていたからな~やっぱり…まだ寝てるよな~」


 篤郎はコップをとりあえず置いて喉をごくりっ、と鳴らすと、すぐに“キングサイズベッドルーム”へと向かった。仕切ってあるアコーディオンカーテンの前で少し間を置くと、カーテンをバフバフ手で叩き、息を吸った。


 「み、みんなっ! 起きろー! もう昼になってるぞっ!」


 篤郎はみんなを起こせるであろう大きな声でそう言ってみたものの、反応はない。一瞬躊躇ったが、少しずつそろそろとカーテンを開けてみると、ベッドには誰もいなかった。


 「…あれ…!? いないじゃん…荷物もないし…」


 篤郎はすぐに玄関の靴を確認したが3人の靴はもうなかった。


 「…あいつら、いつ帰ったんだ?」


 気分は最悪だったが、ひとまず彩に電話してみることにし、携帯を持ってきて彩の番号を出し通話ボタンを押した。


 「…ピッ…トゥルルルルルっ…プツッ…、は~い♪ 篤郎君♪ 今どこら辺?」


 里村彩さとむらあやの元気な声が聞こえた。周囲は活気がありガヤガヤしている。


 「…この音は…。…今学食? 午前中の講義は? …出た…。うちから真っ直ぐに向かった!? 何で部屋を出て行くときに一言声をかけてくれなかったんだよ~! …絶対出たい講義だったのに~」


 「えっ? あんた出てたんじゃないの? てっきりあたしらを差し置いて講義室のいつもと全然違う場所にでも座って講義をのうのうと受けているんだと思ってたよー、あたしたちは起きたらもう8時40分くらいで慌てて準備して向かったんだけど?


 篤郎君はもう見当たらなかったから、あたしらを置いて講義に向かったのかと。泊まりの客人を起こさないで1人講義に抜け駆けとは…と憤慨していたところだったけど、講義、出てなかったの? どこ行ってたの?」


 里村彩は状況がよく掴めないらしかったが、篤郎が自分たちが寝ているのを起こさずに講義に行ったわけではないということを聞いて意外そうな声を上げた。


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