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リアリスト男子の公開議事録  作者: ぷちとま
第1章 いろいろ諦めて現実を見ましょう
6/6

005 これからの課題を考える

これは思った以上に出来ることは少ない。何より攻撃用の魔法が無いことが一番痛い。スキルレベルを上げるとしても、どの程度でどのくらい上がるのかが全く分からない。消費した魔力はどう回復する?何回使用できる?今手元には回復薬のようなものはない。ここでモンスターや獣が襲ってきても、魔法も武器もない俺は対抗できずに死ぬだけだ。ならば攻撃魔法を覚えることが先決だろう。


「そうと決まれば炎魔法のレベル上げでも始めるとしますか。(ステータスオープン)」


体力:50  魔力:15/20

攻撃:5   防御:10

魔攻:15  魔防:20


ステータスを確認すればなるほど、魔力値が減っている。レベル1程度の魔法なら消費魔力は極端に少ないらしい。まあ、レベル1の俺の魔力値が低いのだから当たり前と言えば当たり前か。ここからが本番、炎をたくさん作る。魔法ひとつひとつ、デフォルトした炎だったり、高温の青白い炎だったり、鮮明な炎だったりとイメージの仕方を少しずつ変えていく。なんとも地味な作業だ。

ステータス画面を見て魔力値を確認しながら魔法を使っていると、14回目の魔法でピロンッと音が鳴った。


「おおッ!!炎魔法スキルのレベルが上がった!!」


ステータスのスキル画面が


スキル

炎魔法:Lv2


と書き換えられた。この状態で魔力値は残り1。魔法の試し打ちをしたいが、魔力が0になった瞬間、俺の体に何が起きるのかはさっぱりわからない。魔力切れで倒れるか、体力が少し削られるのか…

今ここで倒れたらどうなるかはわからない。でも今後のためにどうなるのかは知っておいた方がいいというのも正解だ。周りを見る。草原、空、湖、森。今のところ、周辺にはモンスターも獣もいない。…………よし。


「………やるか。」


結果、好奇心が勝った。


「出来ることは限られているし、それに攻撃魔法なら狩りもできる。イメージは…」


さっきまで作っていたものと同じ炎を作る。ここから酸素を加えて大きくしていく。大きく丸い球になるように。もっと熱く、高温を保った球。


「大きさは変わらない。丸くもならない。」


だが高温の象徴である青っぽい炎はできた。レベルが上がったことで高温の炎を作れるようになったらしい。攻撃としては疑問点がいくつか残るが、殺傷能力は少なくとも上がった。これで襲われても無抵抗で死ぬということはなくなったはずだ。それにしても魔法というものは術者に害を与えることはないらしい。この高温の炎を持っていても、俺は消失どころか火傷もしていない。魔法、便利すぎるだろう…


計算上15回で1ランク上がったことになるが、たぶんLV:2に上がるまでだろう。ランクが上がるにつれて条件も難易度が上がるはず。これからすべての魔法スキルをLv:2に上げたとしても3日は確実にかかる。


体力:50  魔力:1/20

攻撃:5   防御:10

魔攻:15  魔防:20


魔力値は残り1。0になったら俺はどうなる?倒れたとして、今はいないがここにモンスターや獣がいないとも限らない。夜になれば出てくる可能性もある。魔力の回復薬があるわけでもないので対抗策はない。


「…寝床と食料…火が必要か。」


 魔力値を0にする実験をするならそれ相応の準備が必要になる。まずは寝床を探そう。出来るなら大きな木の窪みか登れそうならその木の上が望ましい。今はだだっ広い草原のど真ん中にいて、大変平和的な雰囲気ではあるが、夜は分からない。不用意に眠ってしまって獣に襲われたら元も子もない。ならば少々危険ではあるが、森に入って2,3日ほどこの辺りの様子を見た方がいいだろう。食料を手に入れるにせよ、家を建てるにせよ、地形や生態を理解して行動するに越したことはない。何事も安全第一である。


「飲み水と火は魔法で何とかなる。食料は森にある木の実と果物だとして、家か…」


森に入り、周囲を警戒しつつ頭を抱える。木の実や果物は頭上にたくさん実っている。一部、毒がある可能性も否めないが、それらを食べる動物たちを観察すれば食用か否かは一目瞭然だ。まあ、こちらには万能本がある。これに聞けば一発だろう。魔法をいけば狩りも可能になるはずなので肉や魚は問題ない。

 問題は住む場所、家だ。木の窪みや木の上では雨風を防ぐことは不可能だ。魔法を酷使したとしても、魔力値20で低レベルでは現状、不可能に近い。着手から完成まで何か月かかることやら。思わぬところで早急に基礎レベルを上げる必要が出てきた。


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