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リアリスト男子の公開議事録  作者: ぷちとま
第1章 いろいろ諦めて現実を見ましょう
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004 今出来る最大限のこと

自分の置かれた状況も把握した、スキルの確認もできた、次にやるべきことは何か。魔法スキルのレベル上げである。

衣食住の確保はどこ行ったかって?人間1日くらい野宿したって死なないし、ここは森だ。食料は豊富にある。湖だってあるから体を清潔にだってできる。

だが、モンスターが襲ってきたら?今の俺は武器もなければ防具だってない。あるのはLv:1の魔法スキルたちだけ。なら答えは簡単。生き残るためには身を守る術を持たなくてはならない。


「俺が持っているのは…炎と水、風、土、光か…」



【“魔法スキル”_使用できる魔法のスキル。属性によってできることが異なる。

炎:攻撃魔法重視、火を着けるなどの生活魔法も可能。

水魔法:攻守バランスがいい魔法スキル、水を作り出したり水の中で呼吸も可能になる。

風魔法:攻撃魔法重視、飛行術も会得可能になる。

土魔法:とても応用性のある魔法スキル、土を耕す、創造する、攻守に優れたバランスのとれたスキル。

光魔法:サポートに特化した魔法スキル、回復魔法も会得可能。】



君、本当に便利だなあ。神様の代わりに君が神様やった方がいいんじゃないかな?








あ、それだと俺がすぐに死んじゃうか。








とりあえず、魔法スキルはレベルを上げた方がいいこともわかったし、ここはセオリー通りに魔法の訓練と行きましょうか。今の段階で出来る魔法を把握しなくちゃならない。

まずは………


「(炎…炎…)」





――――――パチッ





掌の中で火花が散り、それは地位さん火種になる。そこに酸素を加えて火花から淡いオレンジ色の小さな火へと成長する。その火に酸素をどんどん足していき、炎となっていく過程をイメージする。最初は蝋燭の先に灯る小さな炎。そこから大きく徐々に大きく。蝋燭からライター、ライターからガスコンロ、火の玉、櫓の炎。徐々に想像の中の炎を大きくしていく。


「…これ以上は無理なのか…」


結果的に炎を生み出すこと、炎の大きさを変えることは成功した。でも火の玉(顔と同じくらい)以上の大きさにはならなかった。まだレベル1ということもあり、生活魔法と考えればこれくらいが妥当だろう。ちゃんと炎魔法が使えることが分かっただけでも大儲けであって、威力は二の次でこれから強くしていけばいい。魔法が使えるのなら、それがイメージだけでどこまで出来るのかが問題になってくる。今回の場合、薪に火さえつけられれば夜に獣が襲ってくる心配も少なくなる。




次は水だ。


「(溢れた水がこう…球になっていく感じで…)」


目を閉じて想像する。形のない水に水晶玉のような形を自分が与えていく。湧水から掬い取った水を丸く膜を張らせて、徐々に水を貯めてそれがいっぱいになったところまで、その器に水を満たしていく。


「…よし、出来てる。」


目を開けると掌の中に顔と同じサイズの水の球が出来ていた。ためしに口を着けて一口だけ飲んでみるが、別段体に異常はない。即効性の副作用はなさそうだ。遅行性の可能性もあるので、今は様子を見ることにしよう。これで何も異常がなければ飲み水として使用できる。脱水で死ぬ可能性はなくなるだろう。サバイバルで生き残るために、水は一番必要なもの。人間、多少食べなくとも生きてはいけるが、脱水だけは耐えられない。地球上のどの動植物も共通である。逆を返せば、水さえあれば数日は生き残れるとも言える。




次は土にしようか。


「さっきと同じ感じか?土だから…砂が集まればいいんだよな?」


イメージを始める。掌に砂が集まって固まり、大きくなっていく。拳大のそれを想像したが、結果としては掌の上にその塊はなかった。つまり、レベル1では塊を作ることは出来ないということ。

さて、どうするか。悩んだときはこれである。


「“索引_土魔法”」


【“土魔法”_とても応用性のある魔法スキル、土を耕す、創造する、攻守に優れたバランスのとれたスキル。レベル1の段階では土を削ったり、穴を掘ったりできる程度。ちなみに、塊を作ったり、畑を耕したりしたいならレベル2まで上げないと出来ませんよ?】


さすが万能スキル様、補足説明もばっちりですね。大変わかりやすい。大変ありがたい。

土を削れるというのなら、崖に横穴を掘れば雨も風もモンスター?も一通り防ぐことができる。それにレベルが上がれば土や木を使った家の建設も、畑を作って自給自足生活も可能だ。問題は種が無いことだが…近くの街で買うことになるだろう。お金の問題はその時に考えよう。鍬を使って昼夜問わずの重労働にならなかっただけラッキーだ。土魔法と水魔法があれば大抵の畑仕事は賄える。




ならば次は風魔法だ。


「イメージはそうだな…(エアコンで起きる空気の循環?・・でいいのか)」


テレビCMでよく流れる≪エアコンが部屋の空気循環を促す≫ってやつを実践中。手の中で空気がグルグル回る感覚。空気なんて見たことない。その分イメージは半端なく難しい。風のイメージが湧いてこない上に、循環する方向を指す矢印のイメージが強すぎて邪魔をする。手の中でも変化がある湯には見えないのでこのイメージは失敗だろう。

仕方ないので某忍者アニメの主人公の必殺技(笑)をイメージしていく。視覚化された高密度なエネルギーが循環して回り、遠心力によって外に漏れださないように両の手で壁を作る。その中でエネルギーは徐々に大きくなっていく。





―――――――――――(フワッ――――





僅かな風が俺の髪を揺らした。成功。

作り出された風が大きくなることはなかったが、それはレベルのせいということにしておこう。鎌鼬、風化という言葉があるように、風は単体で大きな力がある。レベルが低いうちからそんなに大きな力を扱えという方が無理だ。きっと今は小さな風を作り出せる程度でいい。殺傷能力が高いものは後からでも構わない。……空を飛んでみたい気持ちが無いわけではないが。




そんなことは良いのだ。次に行こう。


「光魔法ねえ…光、光…電気と回復だったっけ?」







これで今俺が出来る上限が決まった。



・炎が出せる

・水が出せる(飲み水としても適用)

・土を削ったり穴を掘ったりできる

・懐中電灯いらず





以上だ。


読んでくれてありがとうございます!!

まだまだ続きます!!

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