Carry dishes
僕が、フィンに行っていた間に
こっちでも進展が見られたらしく
今は2度目と思われる 調理が始まっていた。
「「祝うって言ってたのって
村に行く前だよね?」」
そうだな。
『ごめんね、結構 間 空いちゃって』
いや、僕は ここまで覚えていてくれたことが
何よりも嬉しい。
『………』
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何か手伝おうか。
『エルは待ってて』
‘そうです!主役は座っていて下さい’
そうか。
…何故僕の家で?
『あぁ、帰る予定だったよね。
でも、おじさんが瞬間移動みたいなの
出来るって分かったからさ』
それで、ここで。
『うん』
“ちなみに、エル様は
どの焼き加減がお好みでしょうか?”
加減?
“レア、ミディアム・レア、ミディアム、
ウェルダン等が御座いまして、
それ以外が良いと仰られるのであれば…”
『あー!いや、A 前と同じにして』
“了解しました”
“エヌ様はよく焼く派なんですね”
『だってさ、生ってお腹痛くなるでしょ!』
‘(心配性ですね…)’
『皆で腹痛パーティーしても 楽しめないし』
❲腹痛パーティー……❳
「「衛生的な問題?」」
『うん』
『あ、おじさん』
❲?❳
『ここの水道の話だけど』
❲……何も調べてなかったな❳
『だろうね。暇無かったしね』
❲じゃあ、今調べてこよう。
エル、この街の水道設備がある所は何処だ?❳
?
『普通に家のやつ探せば良くない?』
❲それを優先的にしよう❳
水道設備か。
水の確保が必須ではなかったので
気にしていなかったが。
こんな時に必要になるんだな。
「「逆に驚きだよ。水道無しの街って」」
『まだ無いか分からないけどね』
「「(村にも まだ井戸があったのに)」」
「「なんか能力主がエコだなー」」
‘エコ?’
“私達も同じ属性ですよ、アイ様”
肉の焼けた匂いが漂ってきた。
不快なものではない。
アイとAが中心になって
料理を作っているようだ。
エヌは何をしているんだろう。
『……』
皿運び。
『……』
食器運び。
『……』
カトラリーCarry。
『!?』
『(落としそうになった…)』
『全部一緒だよ!』
それしかやることがないんだな。
『……』
『雑用も立派な役割だよ』
その後まもなく、エヌの仕事は無くなった。
❲それらしき物があったぞ❳
『あった?』
エヌが博士の元に走っていく。
❲これだ❳
『……古いね』
❲……❳
いつから使ってないんだろう。あれは
…使っていた時なんてあっただろうか?
『錆びてるし、これ。使えるの?』
❲これから使えるようにする❳
『頑張ってね』
❲おぉ❳
エヌが戻ってきて、二人に近づいていく。
『やることある?』
“では、これを彼方に置いてください”
‘これもお願いします!!’
少し多めに作っているようで、
エヌの新職 運搬 が出現した。
………
終わった。エヌの仕事が。
『料理を全部運び終えたことだし、始める?』
‘そうですね、始めましょう!今度こそ’
“はい”
『それでは!エルも表音のエルも
この記念に乾杯!』
“「‘乾杯!!’」”
『さっ まずはこれ食べて!』
‘私 作の野菜サラダです!!’
アイが作ったのか。頂こう。
❲(俺抜きでやんややんや し始めた……)❳
『おじさんも中断して食べよー』
❲!❳
❲おう!❳