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T o w n  作者: 街灯兎
C i t y
88/188

A woman merchant

せっかく新しい所に来たので、

また散策でもしようか。


歩く。

家が新しい。けど、古い。

掃除はされているが、建物の外見が古い。


僕の街の 家の方がどことなく近代的だ。



502__ _


木々や草花が所々に生えている。

…アイを追いかけた時の村を思い出すな。


「「ここはほのぼのしてるね」」

よく分からないが、そうなんだろう。

「「……」」



散策をするときは

人の有無、家の状態や位置関係、裏道を探す。

これは退屈だった僕が行き着いた項目だ。


人の有無は

エヌの町に行ってから増えたものだが。



一回りして来た。

たまに〖おや、旅の方かね〗とか

〖おはようございます〗と言われた。

会釈をした。


特に目立つものもなく、平然と時が流れるだけの村のようだ。


規模は小さいが、多くの店がある。

さっき立ち寄った店の他にも

飲食店はまだあった。


「「なんか社交的な村だね」」


入り口まで戻ってみよう。

「「……」」



〖おはようございます。ここはフィンの村です〗

〖さぞ疲れているでしょう?どうぞごゆっくり〗

村の人が挨拶をしている。


〖ありがとうございます〗

〖さ、行こうか〗

男女が村に入ってきた。


誰だろう、と思った。

会ったことはないが、

何処かで見たことがあるような顔だ。

……はたまた、覚えていたのか。


男女は宿らしい所に行ってしまった。


「「気になるの?」」

そうでもない。

「「……」」



何もすることが無くなってしまった。

見て回るだけだと、この退屈は消えないな。

「「?」」

「「退屈なの?」」

退屈だ。


「「ボクは新しい景色を見ているから

退屈じゃないよ」」

そうか。



{はいはい、そこのお兄さん?}

声をかけられた。


お兄さん?

周りには、若い男の人がたくさん居る。

…僕ではないことは確かだな。


{いや、そうだよ?君がお兄さんだよ}


変なことを言う音源の方を見ると、目が合った。


{どうも、私 商人やっておりまして}

商人。

見たところ、若い女の人だ。

{おっ嬉しいねー 若い女か…}

「「……」」


{突然だけど、お兄さんのような人に

買ってもらいたいものがあるんだよね}

お兄さん……


{ん?その格好…といい持ち物といい}

{お兄さん、商人かな?}


商人、?

{(自覚ないの?…それはまぁいいか)

ってことは、同業者って訳だ}


………?


{疑われてる?}

「………」


{えーっと、私はワイ。お兄さんは?}

「……」

「「(なんて答えたらいいんだ)」」


「「(目線が違うのに

エルって言って良いのか?)」」

「「(別の人間だったらどうする?

……そんなはずないけど)」」


{名乗らないパターンの客 兼 商人だね

それも良しとしよう}

「「(それでいいのか)」」



{じゃあ私が商人という証拠として

お兄さんにしか

分からないようなやつ見せたげるよ}

僕にしか分からないもの。


{これはお兄さんが商人だという証拠にもなる}

証拠。


ワイ、と名乗った人は

何かを広げた。

あ、これ……


{分かったということは、お兄さんは商人だ。

で、それを扱えているこの私も商人。

つまり、同業者!!}

「「(同業者推してくるな……)」」


これは、パーツだ。

そうに違いない。


{?業界用語か何かか?

私はそういうの、あんまり知らなくてね}

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