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T o w n  作者: 街灯兎
C i t y
87/188

From the beginning

???


「…………」



ほんの一瞬だった。


目の前のパズルやエヌ達が見えなくなった。

僕の疑問に対する答えなのか、

知らない景色が目に入ってきた。



考えることは何も無かった。


エヌのおかげでBPが5、上がったのだが

まだ頭が悪いことを悟る。


この場合、僕のすべき事は何なのだろうか。

辺りを見回す。


前方は何処かの村か町のような所

後方はあまり緑のない砂地


何故僕がここに立っているのか解らないまま、

少しでも安全な場所へ向かうことにした。



501__ _


〖おはようございます。

よくぞここまでお越しになられました〗

〖ここはフィンの村。

ゆっくりしていって下さいな〗


若い人と少し年老いた人が声をかけてきた。


フィン?何処だそこは?

……ここの名か。


エヌの知識を使い、会釈をして前に進んだ。



人がいるな。エヌの町と同じだ。

「「ここの人は愛想が良いね」」


エル、居たのか。

「「居たのかって ずっとくっついてるでしょ…」」


「「それにしてもさ、目線高くない?」」

……言われてみれば、そんな気がする。


あと、少し声が低いような。



〖あら、旅のお方ですか〗

「旅?」


〖…? その格好は旅人さんですよね〗

「はい、(多分)そうです」


〖では、何か食べていかれますか?

ここまで来て、さぞお腹が空いているでしょう〗

僕は空腹がないのだが。

「いいんですか」


〖えぇ、安くしときますよ〗


家のような所に案内された。


〖何が宜しいですか?〗

渡された紙に、色々と文字が書いてある。

読めない。

「一番美味しいのは何ですか」


〖お値段高めですけど、これが人気です〗

「ではそれでお願いします」

〖はい〗


その人は部屋の奥に入っていった。


エル、凄いな。人と会話が出来るなんて。

「「表音の効果忘れたの?

これくらい、最初から可能なんだよ」」

知らなかった。


あと話し方が違う。

「「そういうもんだよ」」

「「(ちょっとエヌの頭を借りてるけど)」」


ただ、自分勝手なことしか言わないかと思った。

「「酷いな」」


〖何かおっしゃいましたか?〗

「あ、いえ」

エルが人が来たことに気付く。


〖食事をお持ちしました〗

「…ありがとうございます」

〖では、ごゆっくり〗


頭を下げ、目の前の物を見る。

これを食べるのか?

僕には空腹はないが、物は取り込める。

この見知らぬ物を食べても害はないのだろうか?


「「大丈夫だよ、……値段ついてるから」」

よく分からないが、食べるか。



……この棒は何だ?

「「箸だよ」」

箸?これで食べるのか??

「「……」」

「「持って食べる。以上」」

持つ、か。……持ったがこれでどう食べるんだ?


「「……あぁもう」」

手が動く。

自分の意思で、ではない。

エルが動かしているのか?


「「ほら、口開けて」」

全てがエルの 思いのままではないことが分かった。


「ごちそうさまでした」


〖では、200Gになります〗

考えてもいないのに、

ひとりでに僕が何かを取り出した。


…に、200G?

「「(200G?)」」

「?」



「「(これがお金……だけど、

使ったことないやつだ)」」


〖どうしましたか?〗

「…あの、どれが200Gですか?」

〖?………ふふ〗

その人は、少し微笑んだ。


〖これが100Gですので、この硬貨を2枚ですね〗

「はい」




〖ありがとうございました〗

笑顔でそう言われ、家を出た。

「「店だよ、あれ」」

店?


……ものを売ったりする場所のことか。

「「そういう所では、お金が必要だからね」」

お金。

「「今払ったのがお金。

単位はボクも聞いたことなかったけど」」


「「無くなるとなにも買えなくなるからね」」

そうなのか。


大事な物だな。

「「うん」」

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