Vegetables,Meat
‘あの方、道に迷っているんですかね?’
“飛ばされた と言っていましたが”
『…遠くの人の声も聞こえるの?』
“はい。聞こえないはずの声が聞こえる
というものが透聴ですので”
『だったら僕も聞こえているはずなんだけど』
『(ランク3ってその程度なのか……?)』
“いえ、それでしたら 既に聞こえているかと”
『んー……不具合を疑おう』
4--__ _
❲ディナーはどうすんだよ?❳
『作ろう』
‘私は何をすればいいですか?’
『野菜とか切ってもらえる?』
‘分かりました!!’
『あっ洗ってからね』
‘はい’
『…水って何処にあるんだ?』
❲水も持ってきてあるぞ❳
『気が利くね。でも、ここで出ない?』
❲街の水道が使えるかだな。後で試す❳
『分かった』
❲(……あいつ、食い物持ってねぇのか)❳
『Aは肉を焼いて』
“了解しました”
❲もう1人分も追加で作るぞ❳
『なんで?誰の?』
❲あいつの分だ❳
『…気にしなくていいよ。大体知らない奴なんだし』
❲エルの見た目をしている人間を放っておけるか❳
『………』
『(それ、危険じゃないか)』
‘何かあったらAが絞めてくれますよ’
『!?』
“万が一の場合に限ってです。乱用は出来ません”
『………』
“エヌ様、肉の焼き加減はどうしますか?”
『?えーと』
“レア、ミディアム・レア、
ミディアム、ウェルダン等がございますが”
『??』
“それ以外が宜しいのであれば
ロー、ブルー、ブルーレア、ミディアムウェル、ウェ”
『え、待って待って、……何それ?』
“どのくらい焼けば良いか?という質問でございます”
『よく分かんないけど、よく焼いた方がいいかな』
“はい、ウェルダンかベリー・ウェルダンあたりですね”
『おまかせで……』
❲呼んでくるか?もう行ったかも知れねぇが❳
『いや』
『凄い 良い匂い流しとけば寄ってくるよ』
❲何かで見聞きしたような作戦だな❳
「(…昨日から何も食べてない)」
「(あそこでなら、少しは
腹の足しになると思っていたのに)」
「……?」
「(なんだ、この匂い…?)」
「(もしかしてこれは…
悪魔の誘いか?)」
「(そんなものに負けてはならない。
まだ生きていなければ成し遂げられない)」
『なかなか来ないね』
‘もう行っちゃったんですかね’
“…………(耐えている)”
『もっと扇ごう』
「…………」
「(この方向からして あいつらのいた所か)」
「(何をしている?)」
「(のこのこと 行く訳にはいかないが…)」
「(今は空腹に逆らえないようだ)」