No spices are necessary
❲これ、何だ?❳
『ケーキだよ』
❲ケーキ、?❳
❲(食べても害はないよな?)❳
『僕は混入とかいうの 何もしてないから』
❲そうか❳
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‘……’
“……”
❲…………❳
『どう?味』
❲旨いか不味いかで言われたら
旨いかもしれないが、
これはケーキじゃないぞ❳
『?』
‘美味しいんですか?’
“……”
“…不味くはないです。玉子焼き”
『玉子焼き??』
‘あぁ、不思議な玉子焼きですね!っていう感じです’
『…………』
❲お前何使った?❳
『この白い粉と卵と赤い粉』
❲白いのは砂糖か塩だな。赤い粉は…辛いやつだな❳
『そうなの?』
❲文字読めるんだから正しい判断で作れよ❳
『……』
❲まず、ケーキの材料が足りない❳
『うん』
❲町の人の話によるとだな❳
『うん』
❲………で、次に❳
『あっ これ入れるの?』
❲らしいぞ❳
『これは?』
❲駄目だそれ。甘いケーキに辛さ必要ねぇよ❳
『味の変化が楽しめるんじゃないかな』
❲そんな変化を楽しみたくはない❳
『……これは?』
❲これならなんとかなりそうだ。
むしろこっちの方が良いかもな❳
‘博士さん、楽しそうですね’
“そうですね”
‘今度こそケーキが出来ますね’
“はい”
❲どうだ、これでいいだろ❳
‘おぉ!……?’
『なんとか形に出来たね』
“………”
❲レシピ通りでも 外見は同じに出来ないか❳
『所詮、男どものクッキングだからね』
‘外見って
その町の人に見せてもらったりしてたんですか?
作って見せてたとか?’
❲写真だ写真。作った日に撮ってるんだってよ❳
“マメな人がいるのですね”
‘写真と話を聞いただけで
ここまで作れるなんて驚きです!!’
❲信じられないっていう顔してんな……❳
『誰か食べる?』
❲エルが来るまで食べられないだろ❳
『そうだった』
『待っている間にディナーも作っちゃおう』
『じゃあおじさん、行ってき』
❲また俺が聞きに行きでもしたら
変なの作りそうだから
あらかじめ夕飯のも聞いてきたぞ❳
‘想定されていたんですね!’
“材料や食材の無駄な消費を抑えられますね”
『(あれ、無駄な消費か…)』
❲おっ帰ってきた❳
『何処に行ってたの?』
「……?」
「誰だ?」
『え』
『エルでしょ?とぼけないでよー』
「………?」
❲エル…じゃないな。こいつ❳