Surprise
『アイ、エルが居なくなる前って何してた？』
‘見てなかった…です’
『Aは？』
“………”
『？』
“同じく”
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❲居なかったぞ❳
『 』
『……探しムラとかない？』
❲隅々まで行った❳
『……』
‘これ、本当に行方不明とかじゃないですか？’
“………”
『も、もしそうだったら』
❲おいエヌ、考えてみろ❳
『？』
❲エルは何処までも行く❳
『いや、あれは時間潰しだったからでしょ』
❲（まぁそれはいいんだが）
…前みてぇに 気が向いたら帰ってくる❳
『……うん』
❲ふっとエルが戻ってきたときの為❳
❲ここはサプライズでもしようや❳
‘驚かすんですか？’
❲あぁ、今から準備する❳
『今から？』
“もうバレていては、サプライズではないかと”
‘エルさんが思ってる以上の事を
すればいいんじゃないですか？’
“成程”
❲そうと決まったら❳
『おじさん、町から荷物取ってきて』
❲俺が？❳
『じゃあ僕も行こうか？』
❲（一人の方が移動速度は速い）❳
『（人数増えると遅くなるのかな？）』
『決まり。行ってらっしゃい』
❲…何が必要だ？❳
『野外でやるならテーブルがいるよ』
‘エルさんのお家でやりませんか？’
『いいねそれ』
❲テーブルはあったが
椅子は見当たらなかったぞ❳
『いいじゃん 床で祝おうよ』
❲おぉ❳
『必要な物ねぇ』
『…じゃあケーキと
ディナーの材料と調理道具あたり』
❲ディナー…夕飯か？明るいのに❳
『いつでもいいんだよ、この世界では』
❲………❳
❲行ってくる❳
『それ言ったらさ、
…なんでこの街周辺は夜がないのかな？』
“急ですね”
『……僕らが朝昼夜を知っているのは常識なのかな？』
‘？’
『ずーっと前から あの空が明るかったとしたら
昼しか知らないまま 死んでいくしかないんだよね』
『なのにどうしてだと思う？』
“……”
『僕らがそういう知識を持ち合わせてるのって』
“存じ上げません”
‘意味は分かるんですが、返答には困るというか……’
『あ、ごめんね。またやってた』
❲戻った❳
‘おかえりなさいです’
“では準備を進めましょう”
『これらをエルの家に持ってくよ』
『おじさん、これ全部持っていって』
❲（持ったまま移動か…）おうよ❳
