Disaster
『エル?』
❲どうした?❳
『エルが居ない』
‘え’
“……”
“外にも見当たりません”
❲……今の話を聞いて照れたんじゃねぇか?❳
『そうだね、ここには居ないけど 街の方に行ったのかも』
❲探してくる❳
『任せたよ』
411__ _
‘エヌさんも行かないんですか?’
『一人で大丈夫だよ』
‘そうですか…’
❲(エルの家は 中まで入ってなかったか)❳
❲エル、居るか?❳
❲……❳
❲居ないか…❳
❲それにしても、部屋綺麗だなぁおい❳
“エヌ様の町には人、居るのですか?”
『居るよ』
“そこに 行ったことはありませんが、
エヌ様がここから 足を運べる近さにあると予想します”
『うん、当たってる』
“(私達の住んでいた村もそうですが)”
“此処、人が居ないのは何故ですか?”
『(村に アイとA以外が居なかったのにはなんとも言えない)』
『エルの街は……詳しくは知らないけど、
災厄?みたいなのが起きて、そのままらしい』
‘災害のようなものですか?’
『ちょっと違うかも。それは自然に起きるでしょ?』
‘えーと、では 自然に起きるはずのないことでも起きたんですか?’
『多分』
‘…………’
『…確証はないけど、今分かってるのはそのくらい』
‘エルさんてここの街出身ですよね?’
『出身までは調べてないけど、初めて会った時に
ずっと此処に居たようだったから そうなんだろうね』
『あの災厄以来、人が見つかることはなかったそうだけど』
『僕は一人見つけた。エルは生き残りだと思った』
‘生き残りですか’
“エル様と同行されているのは
何かつかめるものが あるかもしれないと思っているからですか?”
『まぁ』
『…前にね、ここの事を専門に調査してたんだ』
『今は休んでるけど』
‘初めて聞きました!’
『これでも僕は研究者だからね』
“…エル様の街調査の以前には何を?”
『小さな仕事だけど
町の人の悩み事を聞いたりとか
おじさんの頼みで色んな所に行って 素材なんかを採集してたよ』
『(主に土とかそこらへんだけど)』
『(たまに鉱石とかも持って帰ったりしたなぁ)』
“………”
❲エルー❳
❲エルー!❳
❲エルー!!!?❳
❲…………❳
❲エ…(咳)❳
❲あ゛ー居ねえ❳