Treasure
博士が必死に辺りを見回し始めた。
クモがどうだっていうんだ?
❲………(居ねぇな)❳
どうやらほっとしたようだ。
『あれ?まだ背中にいるよ』
❲!!!!?!?❳
声にならないらしい。
そして数分が経過した。
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❲…………今居るか?❳
『いなくなったよ』
❲(よ、よかった)❳
『あ、まだいる』
❲!?❳
『大きめだね~』
❲!!!!❳
❲(取ってくれ、誰か…!)❳
この動揺は何だ?
博士はさっき 何食わぬ顔でクモの巣を払ったのだが。
Aがパッと払った。
❲あ、ありがとな……A❳
“はい”
『……そういや 言ってなかったけど
僕とおじさんは、足が6本以上ある虫が苦手なんだ』
「「それ ほとんどの虫が駄目じゃん」」
‘私も不意討ちの虫は嫌ですよ’
『…(アイ…フォローありがとう……)』
‘でも通常は触れます’
『………(羨ましい)』
“私は 人間より感情が少ないので
今の所、そのような苦手や嫌いなどは 皆無ですね”
Aは完璧に近いからな。
「「…………」」
❲…………❳
「「クモの件はもういい?」」
『なんか手間取らせたね……』
‘あの、さっき言っていた 宝というのは……?’
❲俺の持論なんだが
こういう古くて人気の無い場所にこそ、
高価なものがあるんだ❳
“外や中の家具等は それを隠す為だと?”
❲そうだな。今一番有力だ❳
『どうだか……』
「「あるんなら探そうよ、宝」」
❲…よし、皆で探すぞ❳
『ったってさ、もう調べ尽くしたから
新しいものは出てこないよ』
❲今まで収集した物の中から探すんだ❳
『そう』
エヌが素っ気ない。
床一面に物が溢れる。
知っている形の物もあれば、
何に使うのか分からないものまである。
「「(ガラクタだ…)」」
❲手分けして調べてくれ❳
‘あっ博士さん、これはどうですか?’
❲いや、これは違うな……❳
『それ何?』
‘分からないです。でも変わってるなと思ったので’
❲見た感じはパズル?にしか見えないが……❳
『おもちゃ?』
“昔、ここは子供が居たのでしょうか”
❲…………❳