Warehouse,Bookshelf,Spider
❲情けねぇな…それでも男か?❳
『今は関係ないよ。苦手は男女共通だからね』
❲ったく❳
博士がクモの巣を素手で払った。
❲ほら、通れるぞ❳
何食わぬ顔で言った。
『こういう時だけ頼りになるね』
❲褒められている気がしない❳
博士、腕のは払わないんだな……
❲………❳
あ、払った。
406__ _
‘見た感じ、どこにでもある倉庫ですね’
アイが率先して入った。
“倉庫にしては、物が少ない気がしますが”
Aが続く。
「「開いたはいいけど、ここでやることあるの?」」
エルが呼び掛ける。
『やることは 探すこと』
もういろいろと 手に取っているエヌ。
❲珍しいのあったら即 報告な❳
同じく調べ始めた博士。
…この小屋の広さは
床に本や物があるから
人がギリギリ入れているくらいだ。
中でも大きい家具は本棚か。
狭いところで4人が 上を見たり下を探ったり。
今入るのはやめておこう。苦しくなる。
入口から中をずっと覗いていた。
僕が入れるようになったのは
一通り終わった頃だった。
僕の部屋を片付けた時のように、
エヌが博士と物を運んで スペースを作った。
Aも自主的に手伝っていた。
一斉に5人が入っても まだ余裕がある空間になった。
『ここは二階なしか』
❲この本棚、雑種だな❳
“確かに、同ジャンルがありません”
‘何を読んでも 違うことが書かれているんですね…’
「「なんか良いのあった?」」
『いや、何も』
❲暇潰しに読めるものは ごろごろあるがな❳
これ、何冊あるんだ?
本棚は両面ある。
それを壁に追いやったが 1つではない。
一部 外に出したものもある。
とにかく小屋の中には本棚が詰められていた。
「「この広さに本棚があったんだ」」
『今までここ、どうしてたんだろうね』
❲…クモの巣にクモが居なかった訳はそれか❳
‘?’
❲ずっと使われてなかったんだろうよ❳
‘ほうほう’
❲外も家具が塞いでたみたいだしな❳
あれ
博士、腕
❲ということはだ。ずっと前から眠っていた宝とかが❳
『おじさん、腕 だって』
❲腕?……特に変化は無いが❳
『エル、腕って何?何か付いてるの?』
うん、クモが。
『へぇー』
❲…?❳
『クモかーぁ』
エヌが笑顔になった。
❲おわっ!?❳
博士が真っ青になった。