White paper, sweets
アイが家と僕を交互に見た。
此処に入ってもいいのか と聞いているのか?
「「良いんじゃない?エルは嫌がらないよ」」
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家に入る。
「「意外と整頓されてるなー」」
これはエヌが片付け直したものだ。
アイは初めて見るものがあるのか、
目線の移動が早い。
二人が此処に入るのは初めてだな。
目新しいものは何一つ無い。
時間が経っても 僕の家は僕の家。
‘……’
肩を叩かれた。
アイが机を指差した。
「「白い紙がある」」
紙?出ていく時はなかったはず……
手に取る。
「「なにこれ」」
文字が書かれている。
読める。
が、意味を成さない文字列だったので 解らなかった。
「「これさ、…暗号??」」
暗号?
「「暗号も知らないの?まったく…」」
‘……’
『分からないことは?』
❲今の所ねぇな❳
❲で?俺が周ったら話そうとしてたのは何だ?❳
『先にエル達と合流しようよ』
❲あぁ❳
❲…そうだエヌ。差し入れだ❳
『差し入れ?』
❲ほい❳
『(お菓子か……)』
❲そんな顔すんなよ……❳
『……ありがと』
『?』
『(なんかAが凄いこっちを見てくる…)』
『(僕の顔より下を凝視してるから
これが気になるんだろうな…)』
『(どうする…僕、
今これをあげた方がいいのか?)』
❲……❳
❲Aも食うか?❳
“え、宜しいのですか?”
『……(よかった)』
❲宜しい宜しい。沢山あるから好きなの選べ❳
“感謝致します……”
『(といっても、調べるだけで返すんだよな)』
“ありがとうございました”
❲……? 食べないのか?❳
『おじさん、Aは表音だから
食べる=データの登録、移動なんだよ』
❲??❳
『分かってよ……』
“お、美味しい……”
❲そうか!それは良かった❳
❲でも何で直接食べないんだ?❳
『今の話聞いてなかったの?
(もう、自分のことしか考えてないし)』
❲すまん❳