Separate action
アイはAが居なくなったことで
身振り手振りでしか伝えられない。
僕も声が出ないので
それをよく見ていないとだな。
エルが代わりに発声したら
僕の意思もアイに伝わるのだが。
「「……」」
‘……’
「……」
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そういえば
Aが話していた時に、時間差はあるが
アイも話していたな。
Aの切り替えが早いのか?
まるで、Aさえ居れば
アイ自身で話せる… それはないか。
ほとんど 僕達もその関係だというのに
僕は話したくても エル次第だからだ。
「「ねぇ」」
アイがこっちを向いた。
「「どっか気になることとか無いの?」」
考えて
こっちに来て とでも言うように
離れ始めた。
何かは分からないが着いていく。
❲村の様子はどうだった?❳
『アイとAしか居なくて
あとは皆 使われてないって感じかな』
❲そうか❳
『あとこれね、調査書と素材』
❲おー❳
『一応取っといたんだよ』
❲成程❳
❲この土地はそういう地質か❳
『………』
『(話聞かないよな。だいたいそうだけど)』
“エヌ様”
『?』
“博士はどのような研究を?”
『…… ほんっと地味だよ』
❲主に土地関係だ。あとは ちょっとアビに手を出している❳
“それは 地味 ではなく 素晴らしい対象 ではありませんか”
❲おっ 分かるか❳
“はい”
❲じゃあこの話は知ってるか?❳
“何でしょう?”
❲…が …………す❳
『ちょっと、置いてかないでよ……』
『(二人の馬が合ってしまった。悪いことじゃないけど)』
『それにしても速い……歩幅歩幅』