There was no Clues
“いえ”
「「?」」
‘何が聞こえたんですか?’
『はっきりはしてないけど…音が。
中からかな?』
中?
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「「でもさ、ここ森の中だよ?
音源なんてどこにでもあるじゃん」」
“確かに”
『…僕は常に 透聴を薄く
起動しっぱなしにしてるんだけど』
『今の音は
いつも聞こえているものと 違う響きだったんだ』
‘違う響き?’
『例えば、人の声とか』
人?この家の中に?
‘人の声が聞こえるのは、ここに5人分の声質が
在しているからではないんですか?’
『うーん……』
そこに 音を出す何かがあるのか?
『とりあえずエルの意見を採用しようかな』
「「折角ここまで来たのに 収集は無いんだね」」
エルは歩いてないから 問題ないだろう?
「「…」」
「「ここまで来るのに 使った脳の問題」」
‘表音って脳とかあるんですかね?’
“詳しくは分かりません”
『それなりの知能が あるだけじゃないのかな……』
『それを脳って言ったら 僕も理解が追い付かないけど』
今は何も無い。
だから また後で来ようよ。
『そうだね』
『エルが来たいって来たんだから
次は僕の町に行かなきゃだし……』
「「博士って人が居るんでしょ?」」
‘そうなんですか?
では、その人に此処のことを
聞いてみたら良いんじゃないですか?’
エル博士はそういうことを
何処まで知っているんだろう。
“エル博士 というんですね”
「「もう エル3人居るじゃん」」
『これは偶然だよ……』
“エヌ様の町ですか。物資が溢れていそうですね”
『また何かあったら 食べてみたいだけだね……』