Old? New?
『言い過ぎだよ』
『エル』
「「……」」
僕の街 に戻ってきた。
僕が居ても居なくても
この街はそのまま。
…
急に変わるなんてことも ないだろうけど。
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「…」
『さぁエル、ここがエルの街』
「「おー」」
‘街…’
‘‘確かに、村より建造物が多いですね’’
『A? 見えないけど声出せるの?』
‘‘当たり前ではありませんか’’
‘‘エル様の表音、エル様と同様ですよ’’
‘‘これが初期設定の表音です’’
『へーぇ』
「「…」」
「「僕は表音じゃないから あんまり分からないや」」
「「みたいな顔してるね」」
『そんな、ことはないよ』
「「(表音は二人しかいない)」」
「「(ボクに何かあっても
Aにしか分からなさそうだな)」」
「「……」」
「「(Aにも分からないことがあったら?)」」
エル、どうかした?
「「いや?」」
‘エ、エルさん。街はどうですか?’
「「そうだなぁ」」
「「とりあえず回りたいかな」」
じゃあ回ろう。
ぞろぞろと歩く。
『エルの街ってさ』
『改めて見ると 古いような、新しいような気がする』
“…どちらですか?”
『ほら、あの家は新築みたいに新しい』
『でもあれ、あの家は壊れかけてる』
「……」
『そういうのは 何処にでもある 街 の様子だけどね』
『全く同じ家はない』
‘古いような、新しいような…’
『僕の見方だと、この街』
『僕の町と変わらないな』
?
変わらないなんて
明らか、
人の有無という点で大きな違いがある。
『そこについて エルに質問』
『人がずっと居ないと、いくら新築でも
手入れしないとか 時が経つのもあって
早く古くなるでしょ?』
‘そうなんですか?’
『…うん』
『人が少し前に居たのなら、
ちょっとは 生活した跡があるでしょ?』
“………”
『けど』
『生活した跡は無いように見えるし』
『新しい家は新しいままだ』
『…これってどういうことだと思う?』