A__ _
‘‘私の名は A と申します’’
‘‘この方、アイ様の 表音的存在でございます’’
『表音…』
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『表音ってさ、エルにもあるんだけど』
『その…本人と もう一つの人格っていうのかな、』
エルか。
『そのもう一人が Aさんだとしたら
どうして僕らに見えているの?』
‘‘私には そう 設定されています’’
『設定?』
‘’はい‘’
‘‘ただ、私が貴殿方に見える ということは’’
‘‘アイ様から 一時的に表音が
解除されたことと 同じなのです’’
‘‘ですので’’
『……』
?
‘‘今のアイ様は 今のエル様と同様の状態です’’
『…話せない?』
‘‘その通りです。エヌ様’’
『…』
僕と同じ?
‘‘それと、こちらについて でしょうか’’
Aが アイから パーツを受け取った。
実体化はしているのか。
‘‘貴殿方はこれを パーツ とお呼びになるそうですね’’
『は、はい』
‘‘本当は 別名で知られているのですが
ここではパーツと呼びましょう’’
別名があるのか。
‘‘はい、エル様’’
‘‘私は その名称を存じ上げませんが’’
‘‘これで 何が出来るのか は把握済みですか?’’
『僕が知っているのは この画面だけ』
エヌがパーツを操作して
Aに見えるようにした。
‘‘そうですね’’
‘‘…エヌ様は異能力をお持ちでしょうか?’’
『異能力?』
『僕は 透聴 だけだな』
‘‘透聴……’’