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One mind
『…』
『これは僕の我儘だ』
『君が エル でいてほしいっていう』
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「「……」」
「…」
「ありがとう」
「エヌ」
『…』
「僕の名前を考えてくれて」
『……うん』
『……』
『…え、』
『え?』
『エル、え?』
「「ボクは 君と一心同体だよ」」
「「力になってあげる」」
うん、これから
僕のこと 宜しくね。
エル。
『……』
「「?」」
「?」
『無視しないで…』
「「ごめん」」
…ごめんね。
『エル、いつから話せるようになったの?』
?
『?』
『ほら、今エルの声が』
「「それは多分ボク」」
『?』
「「これからは、エルの必要に応じて」」
「「代わりに発声することにしたんだ」」
「「…」」
「「それがボク、表音の元の役割だけど」」
『…』
『そうだ』
『エルが僕以外にも
思いを伝えられるようになったんだ』
『こういうのは祝わないとね』
「「……」」
「…」
祝うの?
『うん、めでたいからね』
めでたい?
「「まぁまぁ そんな細かいことはいいの」」
そうなのか。
『それじゃあさ、祝いはここで』
「「帰ってきたら だよね」」
じゃあ、一刻も早く帰ろうか。