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L__ _
『少しでも喋れるようになろう』
『もしくは 相槌だけでも』
「…」
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「「その心配は無い」」
『!?』
『エル、今…』
「…」
僕じゃない。
『え…?』
「「ボクはエル。 んで、僕 はエル」」
『エル、どうしちゃったの…』
『喋れてる?いや、心の声?……』
エル、か?
「「そうだけど」」
『ちょっと待って』
エヌがパーツを操作している。
『もう一回喋ってくれる?』
「「何をだ?」」
『……エルじゃないね。やっぱり』
『これは何なんだ ?』
こ、これは
「「ボクは表音のプログラム」」
「「エルの会話の 補助なんかをやるよ」」
『表音に音声があるのか…?』
しばらく エヌの混乱が おさまるまで待って
事情をエルが説明した。
僕ではないエルが。
「「という訳で、宜しく」」
『…あぁ』
『エルにエルか…ややこしいな』
エルは、
僕から エル を奪ったことを
エヌには伝えていない。
それでも、今はエルなんだ。
『コミュ力は 気にしなくても良くなったね…』
「「最初からそんな心配は必要ない」」
エル、ちょっとだけ
僕と性格が 違うのが気になるけど。
外にも 声が聞こえているようだし
問題ないだろう。