Communication
半ば 追い出されるように家を出た。
『エル、ごめん』
『これから行く所で 結果を出すよ…』
「…」
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『えー メモには…』
『1、調査』
『2、エルのアビリティ』
『3、調査』
『4、レア素材持って来い』
『5、調査』
『いや、そんな調査 書かなくていいから…』
手が疲れそうだな。
『なんか端に ものすごく小さな字が』
何て書いてある?
『小さすぎて読めない…』
それは もはや 字と言って良いのか。
『…』
『これらのことを踏まえた上で その前に』
その前に?
『エルのコミュニケーション能力を上げよう』
コミュ、なんだ?
『会話の基礎だよ』
『僕への伝達には問題無し』
『なんだけど』
『問題は、』
『表音が必要とはいえ
全く喋れない事実だ』
「…」
『僕も思ったよ?』
『表音が使えるなら
エルが喋れなくても 人に伝えることが出来るって』
『でも実際は違う』
『表音も使えない。となると』
「…」
『エルのコミュ力を
底上げしないといけない気がするんだ』
『これから行く所だって
もっと先に行く場合だって
それが必要になってくる』
『だから…』
コミュ力?
『コミュニケーション能力の略だよ』
『簡易型横文字にも免疫を持って……』