L
階段を上がる音だけが響く。
塔の円周に沿い、上へと進む。
急に明るくなった。
眩しい…
108__ _
屋上に出た。
途中で 窓の向こうに空間があったけど
とりあえず一番上まで上ってみた。
絶えず風が吹いている。
ここから町が見渡せるようだ。
エヌの家は…
外観を覚えていなかったので
見つからなかった。
「…」
無心で立っている。
何も考えずに
無心で立っている。
「「こんにちは」」
?
誰かが声をかけている。
…僕へ?
「「そうだよ、君だよ」」
辺りを見回す。
誰も存在していない。
「「あのさ、」」
しかし声がする。
「「ボクは」」
もしかして下か?
上か?
「「…」」
気のせいか。
「「ちょっと聞いてくれる?」」
え?
本当にどこにいる?
「「探したって何処にもいないよ」」
「「だってボクは君の中に居るからね」」
?
「「…言語理解を取得しても まだその反応なの?」」
さっきから何を言っている?
「「めんどくさいなぁ…」」
「「じゃーいいや。君、パーツの情報出して」」
情報?
これか?
L
職業 街人
HP 100
MP ---
AP 40
SP 15
BP 75
「「そう それ」」
「「で、エルって表記されてんじゃん」」
エルは、エヌからもらった名前だ。
「「その名前、実は違うんだよ」」
?
意味が分からない…
…君こそなんだ、
何者なんだ?
「「え? ボク?」」