Awkward
❲……❳
「…」
❲お前、字とか書けるか?❳
字?
分からないので 首を振る。
❲……❳
106__ _
❲…ランクを上げれば
俺達が 聞き取れる範囲が広がる上に
お前も楽に表音を使える❳
ランクか。
❲どうやってあげるかだな…❳
❲片っ端から試すか❳
❲まずは…筋❳
『エルー』
『そろそろ行こうかー』
外からエヌが呼んでいる。
なんかごめんなさい、エル博士。
エヌの元へ行く。
『おじさーん』
『用は済んだから 行ってくるねー』
❲あっけな…❳
❲いつでも来いよ❳
❲俺はこっから動かねぇから❳
『エル、これからは 表音の練習も兼ねて』
エル博士がランクを上げれば
お互い楽だって言ってた。
『エル博士?』
『…それでいいか』
『ランク上げは 前も言ったんだけど』
『そんなに早く上がる訳じゃないんだよ』
『個人差を考えても』
『僕の場合は修行だったよ』
修行?
『アビリティを研ぎ澄まして
高みを目指してたんだ』
『でも、途中で透聴の成長が止まって
同時に エルの無人化街 の噂が流れてきてね』
『修行はお休みにして、
そこでの調査に回ることにしたんだ』
あと、字は書けないかって聞いてきた。
『字ね…』
『それは 言語理解の応用に近い気がするな』
『まずは
エルが今持っている 能力のランク上げをしようか』