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T o w n  作者: 街灯兎
City
183/188

Weekday

「何をしたんですか?」

「俺にも」


〖それは知らなくて良いと思うよ〗

〖君は現に不自由なく生きられている〗

〖それだけでいいじゃん?〗


「…」

〖なにも〗

〖昔の事を聞いてどうするの?〗

〖それで もし今の状態が崩れたら?〗

〖此処の被験者としても〗

〖君自身としても〗

〖色々と不都合でしょ〗

〖安定が一番〗

「……」


〖そんなことより

考えることあると思うけど?〗

「?」

〖…親みたいなこと言おうか〗

「いや結構です」

「失礼します」


〖気をつけてねー〗


4


翌朝。がっこう。


「……」

〖……〗


「…」


「なんだよ」


「無心で金平糖食べる時間があってもいいだろ」

〖金平糖て〗

〖かわいいな〗


〖…昨日〗

〖あの後何したの?〗

「昨日?」


「あー」

「まぁ健康診断みたいな」

〖ふーん?〗

〖入院したてだもんな〗

「揚げたてみたいに言うな」

〖お、うまい〗

「うまくない」


〖ほら鴉も笑ってるじゃねぇか〗

「都合良く解釈すんなよ」


〖そういえば〗

〖今日課題提出日じゃん〗

「え」

「……」

「あっ よかった」

「前もってやってあった」

〖嘘だろ〗


〖今からやるのは違うし諦めよう〗

「割と期間あったよね?」

〖あったな〗


「日頃からやらないの?」

〖勉強?〗

「うん」


〖勉強しないんじゃなくて

好きなことが止められないと言ってくれよ〗

「結局駄目じゃん」


〖ここは写してもいい…が、

でもそれは俺のプライドが許さない〗

「(不真面目の中でも珍しいタイプの方)」

「(いや真面目か?)」


〖というか一瞬で判るだろ〗

〖内容一緒で〗

〖あーこいつまたやったなって〗

「前科あるなら

やってもやらんでも一緒じゃない?」

〖それはさすがにひどいと思う〗

「ごめん」


〖でもなぁ〗

〖出さないよりは点入るだろ〗

〖催促とか来たら

どうせやんなきゃならないし〗

〖だったらここで一旦出した方が〗


「…」

「俺が写しても良いって

言った前提で進んでる?もしかして」

〖え〗

「いやいいけど」



音が鳴る。


何度も見たことがある人が入ってきた。


「「(この時間は

いつも同じ人が部屋に入ってくる)」」

「「(というか

どの時間でも決まった人が入ってくる)」」


〖まず最初に

ちょっと前に出してた課題集めます〗

〖はい後ろから送ってー〗


〖……〗


〖じゃあ授業始めますかね〗


……



音が鳴る。


〖あー鳴っちゃったな〗

〖めちゃくちゃ中途半端だけど

今日はこのへんで〗

〖明日は続きからやるよー〗

〖…あ〗

〖あとで__ 、俺のとこに来るように〗

〖号令〗


〖きりーつ〗


……



〖ただいま〗

「おかえり」


「叱られた?」

〖叱られはしなかったな〗


〖__に感謝しろよって言われた〗

「感謝?」

〖いつもありがとう〗

「うん」

「うん?」

「それ嫌味混じってない?」

「気のせいかな」

〖諦めたのでは?俺がもうこんなんだから〗

「本人は諦めない方がいいと思う」

〖そうですよね〗



昼。

部屋に居た人が各々散っていく。


〖お邪魔しまーす〗

「あ」

〖また食べに来ました〗

「どうぞどうぞ」

〖あいつは?〗

「もう戻ってくるはずだけど…」

〖先に食べてよう〗

「うん」



〖最近はどう?〗



〖……〗

〖聞こえるのは変わらないです〗

〖そっか〗


〖薬増やそうか…?〗

〖何したって変わらないですよ〗

〖そんな…〗

〖他に方法があるか探してみるからね〗

〖(今はできるだけ

聞こえにくい場所で安静に…)〗



〖あ〗

〖うっす〗

〖……〗

「どこ行ってたの?」

〖職員室〗

〖うわあと10分しかない〗


〖またなんかやったんだろ?〗

〖別に〗

〖でもまとめて言われたような〗

「(日頃のちょっとした言いたいことを

まとめられたんだろうな)」


〖もう時間だわ〗

〖じゃ〗

「うん」


〖……〗


「次移動だよ」

〖もう終わる〗


〖はい終わった〗

〖行こう〗

「早」


〖まあ話長くて腹空いてたし〗

〖その代わり次寝そう〗

「寝そう」

〖もう熟睡よ〗

「そこまでは振り切らないで」



〖ねぇ〗

〖能力を扱ってるっていう所あるじゃない?〗

〖別棟の〗

〖あそこなら何かあるかもしれないわ〗


〖いや…私あんまり

そういうの信じないんですよね〗

〖そう?〗

〖確かに現実的ではないけれど…〗



{なるほど?}

{エヌさんが出会った時は

言語理解に難があった…}


{エルさん?でしたっけ}

『はい』

『欠けているものを足したら

意志疎通がスムーズになったので』

『元々持っていたものも

あるんじゃないかなと思います』


{生き残り…ということは}

{幼少期から誰も居なかった可能性もありますね}

{誰にも教えられなかったと見れば}

『かもしれません』

『でも今まで誰も居ないのに

ずっと生きてきたと言うのには

ちょっと無理があるかな~とも…』

{う~ん……}


{まぁでも、現在のエルさんは

飲まず食わずでも大丈夫なんですよね?}

『そこなんですよ』

『というか僕意外…おじさんもですけど』

『アイとA、エルは

食べなくても休まなくても

いい体なんですよね…』

{それは私もです}

『えっ』


{私は人間というか…調査用の作り物なので}

『??』

{そのためだけの個体なんですよ~}

{だからか調査意欲が湧いてくるんですよね}

『へ、へぇ~…』

『すごいんですね…』

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