Self control
〖きりーつ〗
〖ありがとうございました〗
〖〖〖ありがとうございましたー〗〗〗
6
〖よしっ〗
〖帰るぞ〗
「うん」
「あれ、今日部活は?」
〖今日はない〗
「そうなんだ」
小型の機械を取り出す。
画面には
今日終わったら来れる?
の文字が表示されている。
〖腹へったしどっか食べに行かね?〗
「うーん」
「ちょっと確認してみないと」
〖?〗
〖先約?〗
「いや?」
「まぁ待ってて」
〖ん〗
「……」
「あもしもし?」
「これって緊急なやつですか?」
〖…?〗
「…はい」
「これから友達と何か食べに行こうと思って」
「……」
「分かりました」
〖……〗
「良いって」
〖そりゃ良かった〗
「でも__時までには来いってさ」
〖親?〗
〖門限?〗
「まぁそんなもん」
「どこ行く?」
〖まぁここはベタに ラーメンでしょ〗
「いいね」
〖今あの子に何が必要なのか〗
〖自制心ですか?〗
〖そうだな…〗
〖それは誰にでもあるじゃないですか〗
〖そんな無いような子供には見えませんけど〗
〖あったら今頃こんな事にはなってないよ〗
〖まぁ確かに〗
〖完全に無いってことでもないんだろうけど〗
〖実際抑えられてないんだから〗
〖此方がどれだけ手を回したとしても〗
〖元の原因が正されていなければ〗
〖ずっと同じことの繰り返しだ〗
〖ならば直接…〗
{えーと}
{色々聞きたいことがあるんですが}
『なんでしょう?』
『答えられるものだったら
何でも答えますよ』
{まず、エヌさんは此処の住人ですか?}
『うーん』
『僕は違いますね』
{僕は?}
{他に人が居るんですか?}
『今居るのは…
全員別の場所から来たんですけど』
{別の場所から?}
“博士、行きましょう”
“今なら見える筈です”
〔おう〕
『あ、今来ました』
{今?}
『後ろです』
‘こんにちはー’
“……”
〔……〕
{……}
{いち、にー…}
{4人…}
{この人数で
移住という訳ではなさそうですけど}
{貴方達も何か調査をしに?}
『(も?)』
『…僕とおじさんが調査って感じで』
『ここの2人は途中で加わったって感じです』
{はあ…}
『ワイさんは驚かないんですね』
{?}
『突然人が現れたのに…』
{…?}
{ああ}
{私、そういうの慣れてるんです}
『慣れてる…』
『(なんかすごいな)』
〖……〗
〖(この場合だと)〗
〖(前に作ったやつと同じものを
使う訳にはいかないかもしれない)〗
〖(そうすると…)〗
〖失礼します〗
〖?〗
〖どうぞ〗
〖(お、いつぞやの)〗
〖ご用ですか?〗
〖はい〗
〖あの〗
〖またお願いできますか?〗
〖……〗
〖勿論です〗
〖今度は何を?〗
〖能力を1つ
インストールして欲しいんです〗
〖いやー〗
〖あそこ初めて入ったけど うまかったなー〗
「うん」
「また時間できたら行こうよ」
〖そうだな〗
〖あ、もう__時になりそう〗
〖行かないとじゃない?〗
「あー…」
「ごめん 長く居られなくて」
〖……〗
〖そんなこと気にしなくて良いんだよ〗
〖学校で毎日会えるし?〗
「まぁそうだけど」
「じゃあ行ってくる」
「また明日」
〖また明日!〗
〖……〗
『ワイさんはどういう理由で此処に?』
{んーと、経緯を全部話すと長くなるので…}
{簡単に言うと}
{私の興味で、ですかね}
『興味…』
『(僕が初めて此処に来た理由も
興味かもしれない)』
『何を調べているんですか?』
{……}
{エヌさんはご存知ですか?}
{此処で起きた事というのは}
『…』
『無人化ですか』
{そうです}
{エヌさん方が調査という目的で
先に来ていたと}
{で、私より此処に長く居て}
{何か分かったことはありましたか?}
『それが…』
『ほとんど分からないままなんです』
{そうですか……}
『でも1人』
『此処の住人は居ます』
{本当ですか?}
{詳しく聞かせて下さい}
「あの」
「何の用ですか?」
〖お、来たね〗
〖単刀直入に言うけど〗
〖ちょっとだけ体貸してもらっていい?〗
「…何するんですか?」
「それが分からないと怖いですよ」
〖そうだなあ〗
〖君のメンテナンスってところかな〗
「?」
〖すぐに終わるよ〗
〖ただ居てくれるだけでいい〗
「本当にそれだけですか」
〖それだけそれだけ〗
〖なんなら寝ててくれてもいいよ〗
「寝ません」
〖あ、そうだ〗
〖友達と何食べに行ってきたの?〗
「ラーメンです」
〖いいねー〗
〖なんか安心したよ〗
〖飯食べに行ける友達が居て〗
「なんですか」
「俺がぼっちだって言いたいんですか」
〖いや?〗
「そりゃ友達の1人や2人居ますよ」
〖でも多くは居なさそうに見えるなぁ〗
「……」
〖ごめんごめん〗
〖じゃあ〗
〖準備するからあっちで待っててね〗