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Rest
『エルのアビリティは…』
『言語理解』
『は誰でも持ってるし』
『他はないかな…』
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『…』
『それも含めて相談かな』
おじさん に?
『そうだね』
『町はさほど遠くないから。もうすぐ着くよ』
もうすぐ ってあとどれくらい… ?
『うーん…』
『そのうち』
「…」
『疲れた?』
いや、…
疲れたかもしれない。
『じゃあ 休憩挟もうか』
切り株があったので
そこに座った。
『ねぇ 喉乾かない?』
乾いた。
『これ飲んで』
渡されたのは茶色の液体だった。
液体なのにこぼれないし
手が濡れない。
なんでだ?
『それは水筒。で、中身がお茶』
水筒…か
便利だな
お茶 というものを飲む。
特に味はしなかったが
喉が乾かなくなった。
『もう少し休む?』
いい。
行こう。
歩き始める。
どのくらいの距離を 歩いてきたのか
分からなくなってきた。
後ろを見る。
街が無い。
見えなくなった。
前も後ろも森だ。
この先に町があるのか?
『あるよ』
森の中にあるのか。
『森を抜けた先にあるよ』
それは森の中、でも間違っていないような。
『ほら、あれ』
何かが見える。
『町の シンボルの塔』
「…」
『…着いてから詳しく話すよ』