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{ざっと見たけど誰も居なさそうだな…}
{じゃあ何が受信したかだ}
{家の中?外?}
{まさか此処じゃなかったとか?}
“……”
‘……’
『あ、どうしたの?』
‘今 訪問者が居るんですよ…’
『え』
『それはもてなさないとだね』
‘それが見えないみたいで…’
『?』
{うーん}
{何か無いのかなー}
『あっ』
{あっ}
『あの人か』
{多分これラジオだ!}
{どっかで見たことあるやつだ}
{ちょっと確認確認…}
{……}
{あー}
{あー}
{……}
{これじゃない…}
{確かにこの辺りなんだけど}
{ラジオが受信してる感じはない}
{でも他に何がある?}
『すいませーん』
『何かお探しでしょうかー!!』
{……}
『あの!』
14
『随分はしゃいでみたけどいまいちだった』
‘エヌさん…あんなに動けたんですね’
『流石にやり過ぎただけあるからね』
『いつもはこんなにならないよ』
‘体で表現するタイプの茶髪なんですかね’
『そんな異名貰いたくないよ』
『今更だけど恥ずかしくなってきた』
『……』
『でもさ』
『今まで見えないことあった?』
『お客さんが僕達を』
‘無いですよね…’
『……』
『うーん…』
『多分なんだけど』
『Aさ、透視の応用とか使ってない?』
‘?’
‘あっ’
‘あの時みたいになってたってことですか?’
『そうだといいなってくらいだけど…』
“透視ですか”
“……”
“そうかもしれませんね”
“一応試してみます”
“……”
“これならどうでしょうか”
『!』
『よし、もう一回行ってみるよ』
{……}
『すみませーん!!』
{…?}
{何か聞こえたような…}
『ようこそー!』
『何かお困りですかー!!』
{あれ、人?}
{あー!どうもーお邪魔してますー!!}
『(良かった、意志疎通出来て…)』
{遠くから走ってきましたけど}
{私の声が届かないところにいたんですかね?}
『?』
{今此処の人を探してたとこなんですよ}
『あぁ…』
『遠くから失礼しました』
{いや、いいんです}
{まずは人が居てよかった}
{そうしないと
何も分からないまま
帰ることになってましたよ}
『……』
『あなたは…?』
{名前ですか?}
{ワイといいます}
『あっ僕はエヌで…え?』
{エヌさんというんですね}
『ワイ?』
{名前がどうかしましたか?}
『あの…』
『ワイさん、ケイっていう人に
会ったことってありますか…?』
{ケイ?}
{ないですね}
『……?』
{あ、もしかして}
{別のワイを言ってるんじゃないですか?}
『…人違いか…』
{どんな人でしたか?}
『えっと、商人と聞いてます』
『…で、……』
『能力を持っていて…』
{ほー}
{私は本人じゃないですが
そのワイは知ってますよ}
『…え!』
『そうなんですか』
{私のいくらか前のワイです}
『はあ』
『前…?』
『あ』
『家族とかですか?』
『(もしかしたらこの人は
ワイの妹とか子供とか?)』
『(ケイを知ってるワイじゃないけど
そのワイは知ってるんだから…)』
『子供に同じ名前を付ける感じの家ですか?』
{……}
{まぁそんなもんです}
{ただ、今そのワイは活動停止中なんですよね}
『……』
『すみません』
『何も知らなくて』
{?}
『亡くなられていたとは…』
{………}
{死んでなんかないですよ}
{ただ動かないだけ}
『……』
『なんかごめんなさい…』
{……}
‘おっ’
‘話せているみたいですね!’
“そうですね”
‘それにしても…’
‘いつの間に応用を使ってたんですか?’
‘此処に来る人は皆ウェルカムだったのに’
“……”
“応用は使っていませんよ”
“訪問者が見えるように使いはしましたが”
‘?’