Receive
{あー、あー}
{私の声聞こえますかー}
{聞こえてたら返事して下さーい}
{……}
{そこに居るようで居ないんですけど}
{多分そこから
めちゃくちゃ遠い所からだと思うんですけど}
{話しかけてますー}
{聞こえますかー}
{聞こえっ………}
{…聞こえてますよね}
{だって届いてる感じがするしな}
{……}
{あれ、無視されてる…?}
{うーん…}
{あっ、急だからですよね}
{ごめんなさい}
{私は貴方が思っているような
変な人じゃありませんよー}
{ちゃんとした人です}
{安心してくださーい}
{おーい}
{…聞こえてますよねー?}
{何で無視するんですかー?}
{あっ ちょっと!}
{精神統一しないでくださーい!}
{何も考えないなんてずるいですよ!!}
{あ、遮断された}
{もう、やっと話しかけられる人が
居るかもっていうのに}
---__ _
“………”
‘…’
“どうしましたか?”
‘いえ、なんでもないです’
“……”
“アイ様、また料理でもしませんか”
‘…え!いいですね!何を作ります?’
“アイ様は何が良いですか?”
‘そうですね~’
‘とりあえず甘い物がいいです!’
“ではそれにしましょう”
“また博士の知人に
レシピを教えてもらいましょうか”
‘はい!’
‘楽しみですね…!’
{場所が合ってないとか?}
{えー確かにこの座標だし}
{記録にはこうとしか書いてないし}
{やっぱり誰も居ないのかな?}
{にしたってこの感じは今までと違うし}
{誰か居るはずなんだよなぁ}
{どうするかな…}
{…}
{実際行かなきゃ分からないのかな?}
{別の何かが受信してる可能性もあるだろうし}
{えーと、ラジオ?だっけ?}
{あとは…うーん}
{……}
{行くだけ行くかぁ}
“………”
“(なんだったんだ、あれは)”
“(いつにも増して五月蝿かった)”
“……”
“(大分前から音声が聞こえ始めた)”
“(嬢や他には聞こえていない様だった)”
“(だから己の所持している透聴を疑った)”
“(エヌ様も持っているが私よりランクが低い)”
“(普段聞こえないものが聴こえる)”
“(しかしそれは遠くにあるのか
よく聞こえない事が多く、
耳を澄まさなければならない)”
“(時にはそれに集中して
アイ様の話を放ってしまうことも)”
“(今まではただ音を拾うだけだった)”
“(だがあれは何だ)”
“(遠くの何者かに話しかけられた)”
“(此方に向かって直接)”
“(透聴は何かを受信する媒体なのか?)”
『1から3はまあ操作出来たんだよね』
「「うん」」
「「4からちょっと厳しくなってきて」」
『5』
『エルのやれることはほとんど無くなっていた』
「「……」」
『ということは』
「「次も手出し出来ない」」
『うん』
『(もしかしたら戻る為の操作も
出来なくなるかもしれない)』
『……そんなこと無いといいけど』
?
『(まあ、それもなんとか…)』
『……』
『少し話変わるけど』
『えーと』
『元のパズルは6つはめる所があって』
『その4番目の所で1つになったと』
『で』
『今はパーツ内臓みたいになってるけど』
『このまま6で終わりだと思う?』
?
『いやさ』
『パズルには物理的な限界があるじゃん』
……
「「言いたいことが分からない」」
『……』
『エルが持ってた2つを1つにして
パーツから移動出来るようにしたんなら』
『ちょっとくらい移動先
増えても良いじゃんっていうことだよ』
「「……」」
「「なんで?」」
『な、なんで…』
『僕としては得をしたい』
「「エヌの気持ちは関係ない」」
『でも、何かあるんじゃないかって思うんだよ』
『そうじゃないと1つにした意味が分からない』
…?
「「……」」
「「それは6に行ってから判ることだから」」
{確か移動に使うのは…}
{これかな?}
{あんまり覚えてないけど}
{…}
{早速お邪魔しますよー}