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『おじさん…』
〔?〕
『復元、とんでもない使い方を思い付いたよ』
〔まさか〕
『そう!』
『食べ物を戻せることに気付いちゃったんだよ』
〔 〕
『これで無限に食べられる』
914__ _
〔……〕
〔いや俺は〕
〔ここを元に戻すとかして
無人化を調査するものとばかり…〕
『え』
〔え?〕
〔それが一番有効な活用法だろ〕
『………』
『……おじさん頭良いね?』
〔そりゃどうも〕
「「じゃあ、行ってきまーす」」
“お気をつけて”
‘行ってらっしゃーいっ!’
〔食べ物戻すって食べた後にか?〕
『当たり前じゃん』
『増やすことは出来ないんだよ?』
『食べないと戻らない』
『頭悪いなあ』
〔だから、それ
吐くことと一緒なんじゃねぇかってことだよ〕
『……』
『いや、食べた部分が戻るとかだったら』
『結果多く食べれるんじゃ』
〔(自分の言った事にもう矛盾してるな…)〕
〔一部も一個も同じだ〕
〔腹に入ったもんも戻る〕
〔いつまでも膨れないぞ〕
『うーん……』
『増やす能力を
登録すればいいだけなのでは…?』
〔……〕
どうだ
身動きはとれるか
「「いや?」」
「「これは起きてるなあ」」
…相変わらず聞こえないが
操りは出来ない様だ。
「「…」」
視界が右へ左へ歩いている
「(研究室…いっぱいある…)」
「「動いて良いの?」」
「「傷があるのに」」
何か探しているんだろうか。
「「怒られるよ」」
「「動かないでって言われてるんだ」」
「「直ぐに大人に捕まるよ」」
「……」
「…いた…!」
〖?〗
「「ほら」」
「「何処にでもうじゃうじゃいる」」
「「元の部屋に戻されて終わり…」」
〖お、来たか〗
知り合いか。
「「…」」
「この傷、ちょっと治ってる」
〖……そうだな〗
「ありがと」
〖……〗
確かに
胸の傷は少し薄くなっている。
「いつも何してるの?ここにいるの?」
〖おう〗
〖俺は此処で役に立つ能力を開発してるんだ〗
「のうりょく?」
〖…そうだな〗
〖見てみるか?〗
「みる」
〖今まで作ってきたやつがここら辺で〗
〖今やってるのはこの机〗
〖あとは…まあいいか〗
「それってどんなの?」
〖どんなの…〗
〖まぁ、さっきやったみたいに傷を治したり
足りないものを足すとかな〗
さっきやった?
僕らは見ていない。
「「それで治ったってことか」」
「「1日でこんなになるなんて
ありえないしね」」
能力があったら何でも出来そうだな
〖手足が動かない人にはこれ〗
〖水とか火を出すのもある〗
〖と言っても
普段使うものではないんだけどな〗
〖本当に困った時に使うんだ〗
〖(もしこれが 軽々と使われたら)〗
「へぇ」
「あんまり分かんないや」
〖……〗
〖いいんだ〗
〖来てくれてありがとな〗
「あ」
「あっちの部屋は何?」
〖あれは廃棄…〗
〖要らないものを置いておく所だ〗
〖危険だったり必要のない能力は
とりあえずそこに集めてある〗
〖(能力は簡単に捨てられない)〗
〖だから そこに行っちゃダメだぞ〗
〖怪我したら大変だ〗
「わかった」
「行かないよ」
〖いい子だ〗
『あ、でもさ』
『エルの記憶を戻すのもありだよね』
『僕みたいに何か思い出すかも』
〔……〕
〔街ごとの方が分かりやすい〕
〔エルに見たものを実況されても
正直あんまりぴんとこないんだよ〕
『それは想像で補ってよ』
〖どんな名前が似合いますかね…?〗
〖まさか私達が名付け親なんて
そんなこともあるんですね〗
〖…我々の目的が達成されたら
いずれはそうなっていたかもしれない〗
〖いいか、ふざけた名前にするなよ〗
〖自らの子供として考えるんだ〗
〖……〗
〖あっ〗
〖__なんてどうですか〗
〖__ か〗
〖私は悪くないと思う〗
〖他はいるか?〗
〖その名前が一番だと思います〗
〖そう言われたら
納得してしまう位ぴったりです〗
〖じゃあ決まりですね〗
〖これからはちゃんと
名前を呼んでいきましょう〗
〖………〗
「どうしてここにいるの?」
〖俺か?〗
〖研究をする為だよ〗
「お家はどこ?」
〖…今は此処かな〗
「?」
〖此処で寝て起きて研究してるんだ〗
「……」
「帰るところはないの?」
〖…〗
〖そうだ〗
〖(家なんて無い)〗
〖(俺の家なんて)〗
「…」
「いっしょだね」
〖……〗