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T o w n  作者: 街灯兎
Laboratory
164/188

Parents

『おじさーん』

〔?〕

『復元のランク上げたいんだけど』

〔おぉ〕


『これより上がったら

何が戻るのか知りたいんだ』

〔…ランクを上げるのは良いが〕

〔むやみに戻すなよ〕

〔元々能力ってのは乱用禁止なんだからな〕

『分かってるって』

〔……〕


『で、どうやって上げる?』

〔まあ待て〕

〔今から探してくる〕


『なんかあったっけ』

〔心当たりがな〕

『へぇ』

『じゃあお願いねー』


910__ _


〔(何か役に立つのは…)〕


〔………〕


〔(確かどっかに)〕

〔(ケイが此処で見たっていう

能力向上のアビについて

書かれている紙があったはず)〕


〔……〕

〔まずは片付けからか〕

〔(この能力を一時的に使用、と)〕


〔お、あったあった〕

〔こんなもん覚えてないが…〕

〔(まぁ開発した能力の大半は

どう機能するかすらおぼろげだ)〕


〔………〕


〔(この文面は

とにかく素材を集めろってことらしい)〕

〔(能力のコピーにも必要だった)〕

〔(またなにかと使う時にあるといいよな)〕


〔(全部で…成程)〕

〔(今の俺なら 直ぐに揃えられる)〕

〔(一連の収集場所は既に調査済みだ)〕

〔………〕

〔さっと行ってくるか〕



小屋から帰ってきた。


『あれ』

『アイの髪…』


‘そうなんですよ…’


‘Aにやってもらいました!!’

“急に髪を結ってほしいと言われたものですから”

『へぇ…』

『すごいね』

『お母さんみたい』


‘お母さんというのは

こういうのをするものなんですか?’

『?』

『そうなんじゃない?』

『…』‘……’

『誰にだってお母さんは居るよね…?アイも…』

‘うーん’

‘私の母…についての記憶、無いんですよね’

『そうなんだ…』



‘じゃあ逆に’

‘エヌさんのお母さんはどんな人なんですか?’

『僕のお母さんは……』


‘覚えてない感じですか…?’


『いや…』

『小さい時にしか見たことないから』

『でも確か……』


『よく留守にしてた様な』

『記憶の確証は無いんだけど』


『帰ってきて、それから…』

『あ、知らない人も家に』


『うーん…どうだったかな…』

『(ずっと家に居てくれてたのかな?)』

『(遊んでくれて…?)』


『(あれ)』

『(そもそも)』


『(僕って、お母さんに

どう扱われてたんだっけ…?)』


‘………’


‘共通している所が無いですね’

‘(エヌさんのお母さんは

何人もいるんでしょうか)’

『それはないんじゃないかな』

『僕一人につき母親は一人だと思う…』


‘じゃあもしや

エヌさんのお父さんがいっぱいのお母さんを……’

『いや…』

‘産んだんですかね……’

『それもっていうか

まずないんじゃないかな…?』


“アイ様”

“一人を色んな面で見れば

性格が違って見えてしまうということも

有り得るのではないですか?”

“人には人に対して

何枚もの顔があるそうですから”

‘そうなんですかね…’

‘私にはさっぱりです’

“………”


『Aは?』

『お母さんの記憶とかある?』

“私ですか”

“私は表音ですよ”

“能力に親は居ないかと”

『あ、そうだよね』


“強いて言うなら”

“私にとっての母親はアイ様になりますね”

『アイ?』

“主は上の者。親の様なものでしょう”

“多少違いますが”


『僕から見てると

Aの方がアイの母みたいだなー

と思ってるんだけど』


『……』


『そうなると

お母さんがお母さんの髪を…になる…?』

『お母さんは一人だよな…』

『いや』

『お母さんのお母さんはおばあちゃんだから…』

『でもアイはおばあちゃんじゃない…』

『だって孫どころか子供もいない』

『うーん…』


“アイ様はまだお若いですよ”

『そうだよね』

『なんか変なこと考えちゃってた』

『ごめんなさい…』


‘いえいえ’

‘気にしないでください’

‘もうとっくに何年生きているのか

分からなくなってますから’

‘エヌさんの’

“?”

‘Aがお母さんみたいだと言うのは’

‘まあそうなのかなとも思うんですよね’

‘何ででしょう?’


“私はアイ様を助ける存在ですから”

“保護者として見られても

おかしくないのでは?”

‘助けるといっても発声がメインじゃないですか’

‘そもそもAは能力ですし’

“他の作業手助けも可能ですよ”

‘(能力が能力の範囲外で

活動するっていうのは……)’


“実体があるのですから

更に出来るようになったことを

やらないという選択肢はありません”

‘表音ってそこまでやるものでしたっけ…’

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