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T o w n  作者: 街灯兎
Laboratory
155/188

Can not

〖どこか痛みは無いか?〗

「……?」

〖覚えていることは?〗

「……」

〖最後に何が見えた?〗

〖ちょっとエムさん、覚めたばかりですよ〗

〖あぁ…そうだった〗


901__ _


5に移動して最初に見たのは

僕を覗き込む顔だった。


〖大丈夫ですか?〗

起き上がると

数人の白衣が僕を囲んでいる。


心配されるような事でもあったのか?


僕は薄い服を着ているのか

隙間から肌が見えた


大きな痕


胸に大きな縫い痕がある。

「………」

〖………〗


〖それを見て、

何か思い当たることはないか…?〗

「……」


〖可哀想に…〗

〖しっ!〗


この人に何かあったのか?

少なくとも命に関わるような事が


「おぼ、えてない」

〖そうか…急にすまなかったな〗


〖…傷が目立たなくなるまで この子は保留だ〗

〖はい〗


此処はフィンの研究室か?

何が変わった?

〖今は動かない方がいいですよ〗

〖傷が開きます〗

制止された。


これは何の傷なんだろうか。

「「(ここ、心臓がある位置だよね)」」

「「(縫ったってことは

何かしたってこと……?)」」

「「(それとも)」」

「「(最初から縫わなきゃいけなかったとか?)」」


「「(思い当たる節は何も……)」」


〖しばらくはじっとしていてね〗

〖痛いの嫌でしょ?〗

「………」

〖退屈だったら何か持ってきてあげる〗


……

これだけの痕があるということは

重症か?

だとすると、直ぐには動けないのか?


この体の回復が優先かもしれない


「…絵本が欲しい」

〖絵本ね、分かった〗


「………」


エル、何故絵本を?

「「え」」

「「ボクじゃないよ」」

エル?

「「(あれ、聞こえてない…?)」」

無視しているのか?

「「……」」


「「(もしかして)」」

「「(声が出せないのか……)」」

「「……」」

「「(それに、動きも操れない)」」


「「(パズルの数字が進むと

出来ない事が増えるんだなぁ)」」


まぁいい、この傷が塞がったら

此処を探索する。

部外者ということでも無さそうなので

楽に回れるだろう。


〖はい、どうぞ〗

「ありがとう」



「………」


絵本をめくる音が響く

さっきまで居た人達はどこかへ行ってしまった


エルと話せないなら

僕はめくられる本を見ることしかできない


大体の行動はエルが代わっているので

当然ながら僕は傍観している。

エル無しで僕がやれれば、表音は必要無いか


試しに絵本を置こうとする。

本をめくる手が止まった。

「………」

しかし、またその動きは再開された。


やはり僕が操る事はできないのか。


入った人の意識がはっきりしている時は

此方は身動きが取れないようだ。

ジェイの時のように、

この子が寝たら動けたりするんだろうか?


それまでの間、何をしていよう


一旦帰るということは出来ないか?


…………


そうだ、

パーツが無ければ移動出来ないじゃないか。

片道は良かったものの、

服1枚のこの子からどうやって帰ればいいのか?


「……?」


不意に

パーツの文字列が現れた。

持っていないのに、何故…?


幸い僕でも

パーツの操作は出来るようなので

帰るとする。

「(さっきの、なんだったんだろ……)」

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