Alone
‘お留守番ありがとうございました!’
‘おかげで
此処の変わった所や被害はありませんでした’
〔召喚の奴ら〕
〔俺らが戻って来た瞬間に消えたな〕
『同じ場所に同じ人は要らないからね』
8--__ _
‘ところで’
‘エルさんの分身?は誰が来たんですか?’
‘……’
会話の内容は聞こえない。
‘ほうほう……’
‘誰も来なかったそうです’
「「え」」
『それって、エルだけあっちに行って
誰かと替わらなかったってことだよね』
僕だけが移動していたことになるな。
『もしかしてこの先』
『エルが行っちゃったまま
戻れなくなるなんてこと』
『そんなのないよね…?』
〔何か変わってきているみたいだな〕
〔フィンに行く度に〕
“これはどう考えても
危険な方に向かっていると思われます”
‘私もそんな予感がします’
‘穏やかではないですよね’
このパズルの存在理由が知りたい。
僕をどうしたいのだろうか、これは
淡々とフィンに移動し、
1人に入ってそこを観察する。
それが何か、
僕にとって得するものがあるのか?
分からなくなってきた
『ね、ねぇ』
『もう無理して行かなくても…』
『なんか心配だよ』
『手遅れになる前に止めておこう?』
…実際、僕に被害は出ていない。
「「ボクらが入った人が
危険な目には遭うけどね」」
『それもだよ』
『その入った人がどうにかなったら
エル達もどうにかなるんじゃないかって思って』
それは無いと思う。
見ているだけで 影響は無い。
その人の視覚を
借りているだけという感覚なんだが
‘でも、見てはいけないものを見たりとか…’
‘視覚だけとはいえ、
それがどうエルさんに作用するか……’
『どれだけエルの精神が強くたって
時に粉々になっちゃう時ってあると思うから』
『(エルが行った先で何かあっても
助けてあげられないし…)』
『もっと自分を気にして』
……
気を付けよう
『………』
パーツの文字盤を見る。
パズルの数字が並んでいる場所に
5が光っている。
行けと諭されている気がする。
もう、これからは
街に僕が現れない。
その変化は何を意味しているんだ…?
「「行くの?行かないの?」」
「「別に行かなくても
安全なだけだし どっちでもいいけど」」
………
〔(動くのはエル、喋るのはエル)〕
〔(エルは良くても、
エルが目の当たりにして悩んでいるんだ)〕
〔(表音は所詮表音。
人のことを気遣うなんて出来やしない)〕
‘あの、少しは休憩しませんか?’
‘こう、ずっと走り続けているのって
害とかありそうですし…’
走ってはいないが…
‘それは例えですけど!’
‘あの……’
‘自分にスパルタを課さないでほしいというか…’
……
〖被害額はおよそ_億円にのぼります〗
〖まもなく復旧作業が行われ……〗
〖……〗
〖この惨状を見て、どう思われますか?〗
〖これはもう 貴方だけでは
片付けられなくなってきているのです〗
〖私達も研究に加わります〗
〖いいですね?〗
〖……〗
〖写真に話しかけてどうする〗
〖それより先にやることがあるだろう〗
〖早く取り除かなければ、この少年は息絶える〗
大丈夫だ。
僕はそこまで壊れやすくはないから。
‘……’
ここまできたら、最後まで知りたい。
このパズルが伝えたいことを