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T o w n  作者: 街灯兎
C ity
152/188

Eat

〖………〗

〖(静かだな)〗

〖(もう食べていたか)〗

〖(また楽しみが潰れた)〗


〖(筒の内側は赤黒いものが

べったりとついていてよく見えない)〗

〖食欲旺盛だな、私の…〗

〖私 の…?〗



815__ _


〖(こんな食べ方はしない)〗

〖(こんなに汚しはしない)〗

〖(私の研究は…)〗


〖どういうことだ?〗


「あ」

「ごめんね」

「怖い遊び出来なかった」

〖…!?〗

〖(何故、生きている…)〗


「あのね」

「へんな生き物が」

「ぼくの上で弾け飛んだの」


「そしたらね、なぜか」

「すごくお腹が空いちゃって」

「食べちゃった」

〖 〗

「おいしかったよ」

「これ、なんて動物?」

〖…っ〗


「…怒ってる?」


〖…いいや〗


〖素晴らしい〗


「なんで?」

「ぼく、食べちゃったんだよ?」


〖えらいよ、君は〗

〖怖い遊びを乗り越えた〗

〖これで自慢できるじゃないか〗

〖君は強くなったんだよ〗

「…そうなんだ」

「やったぁ!」



〖(頭上で弾け飛ぶだと?)〗

〖(そんなこと無かったのに)〗

〖(私が不在の間、何があった?)〗


〖(原因はこの子か)〗

〖(何故この子だけ食べられなかった?)〗

〖……〗

〖(これからは)〗

〖(この子を研究に)〗


「………」

「あの味、今まで食べたことなかったよ」

「ねぇ、ぼくは何の肉を食べたの?」

〖君が食べたのは…〗

〖……知らない方がいいよ〗

「?」


〖(美味しいに決まっている)〗

〖(人を食べに食べて)〗

〖(肥えに肥えた生命体なのだから)〗



「もっと食べたいな」

「全然食べた気がしないの」

「へんな生き物、まだいる?」

〖…いない〗

「……」


〖……本当に食べたいの?〗

「?、うん」


〖じゃあとってくる〗

「とれるの?」

「もうないんでしょ?」

〖…これからとってくるのは〗

〖君が食べた味のもっと濃い物だよ〗

「そうなんだ!楽しみにしてるね」

〖……〗



〖……久しいな〗

〖あぁ〗


〖あれからどうだ、よくやっていたか?〗

〖まずまずという所だ〗

〖私1人では、なかなか進まなかったんだ〗

〖そうか〗


〖こちらはいいニュースを持ってきた〗

〖孤児使用の許可が下りた〗

〖…あの研究を再開するのか?〗

〖そうだ〗

〖今度はエムが耐える必要は無い〗

〖しかも、失敗しても替えがある〗

〖こんな贅沢な環境はなかなかないぞ〗


〖何処か、広い所はないか?〗

〖多くの孤児を__できるような〗

〖そうだな〗

〖それについてはジェイがよく知っている〗


〖…ジェイが来ていたのか〗

〖あいつ、どうだ?〗

〖変わってるだろ?〗

〖何も〗

〖子供に優しい、いい大人だと思うが〗

〖何処が変わっているんだ?〗


〖……〗

〖エム、あいつのしている研究〗

〖聞いたことないのか?〗

〖?〗


〖…あ、ちょうど歩いてきたぞ〗

〖……〗


〖……お、エムじゃないか〗


〖ジェイ、今何の研究をしているんだ?〗

〖急に何だ〗

〖今、気になって〗

〖……〗

〖ペット作り〗

〖……ペット?〗

〖そいつ、結構 食欲旺盛なんだ〗

〖餌が要るから、また後でな〗


〖………〗


〖ほら、変わってない〗


〖寂しいんだ、きっと〗

〖1人で生きているジェイには〗

〖ペットが必要になったんじゃないか〗

「お腹空いた……」


「何でもいいから胃に入れたい」

「何でもいいから」



「……」

「ちょっと外に出てもいいかな」


「とれるんなら、ぼくがとればいいじゃん」

「何で気付かなかったのかな」

「ぼくがここに居て、

食べ物をとってきてもらうなんて」

「ペットみたいで嫌だよ」

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