Want to go outside
周りを見る。
〖次はぼくが鬼!〗
〖わっ早い人じゃん〗
〖遠くまで逃げよう!!〗
〖1人も逃がさないぞ〜〗
〖きゃー!!〗
子供達が駆け回っている。
この状況から察するに、
僕は今、子供らしい。
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背が低くなった。
天井が高く、広く見える。
子供にとっては
ここが世界のように感じられても
おかしくないな。
この子供がジェイの中に入り込んだ、
ということで合っているのか?
「「多分」」
「「消されて戻ってきたからこの子だと思う」」
子供が、こんな事できるのか?
どうやってやったんだろうな。
「「もうそれはいいじゃん」」
「「ボクらとは関係ないし」」
「「ジェイの中だと不便だったけど」」
「「流石に子供だったら」」
「「ある程度の自由は効くはず」」
今はこうして意思で体を動かせている。
ジェイだけ、中に入っても動かせなかったな。
それは研究者だからだろうか。
「「外に出よう」」
「「ほら、あの女性に預けてる
パーツとパズル、受け取らないと」」
「「帰れもしないし」」
そうだな。
〖(異物は消したが、
現実の方も消した訳ではない)〗
〖(この事実は
おとぎ話のような類のものだが)〗
〖(一応 誰がそれを企んだのかを確認したい)〗
ここからどうやって
外に出られるのだろうか。
「「前にもあったね、こんな事」」
建物の構造が均一になっているからか、
何処が何処なのか分からなくなってきた。
「「行動はジェイの動くまま、だったし」」
「「自分で歩いてる感じしなかったからなぁ」」
だから分からないわけだ。
いや、仮に全ての動作を担っていたとしても
まだ覚えていないだろう。
それだけこの建物は
よく考えられて造られているのではないか。
道を聞く。
これが最短で外に出ることが出来る方法だ。
近くにいた白衣の人に声をかけた。
「すみません」
〖ん、どうしたの?〗
「どこに行ったら外に出れますか」
〖……〗
〖ちょっと待っててね〗
「…?はい」
暫くして、ジェイを連れて来た。
「「(うげ)」」
「「(何でジェイ呼ぶの?)」」
「「(道くらい1人で教えられるでしょ?)」」
「「(それとも分からないのかな、この人)」」
「「(それはないか)」」
〖外に出たいの?〗
ジェイが覗き込んでくる。
「はい」
「道を教えてください」
〖……〗
〖何か用事でもあるの?〗
「「(この人、引き留めるなぁ)」」
「あの、外に出たいんです」
〖そうだなぁ…じゃあ〗
〖君の代わりに行ってきてあげよう!〗
「「(じゃあ行ってきてあげよう!
じゃないんだよ)」」
「「(通じてない)」」
これではずっとこの会話が続くかもしれない。
代わりに
受け取ってきてもらったほうがいいのか?
……
〖何をすればいい?〗
「…路地の、女の人から
受け取って欲しいものがあります」
〖……〗
〖分かった、ちょっと待っててね〗
「はい」
〖………〗
〖………〗