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T o w n  作者: 街灯兎
C ity
146/188

Help

女の人に話しかける。

「気分は?」

〖最悪〗

〖見れば分かるでしょ〗

「……」

〖誰かが助けに来てくれたと思ったのに〗

小声で呟いた。


「…私は貴方を助けるために

同業者のふりをしている」

〖嘘だ〗

「貴方だけではなくて、他の女性も

まとめて逃がすことが出来ないかと思っている」


809__ _


1人が近付いてきた。

〖何話してる?〗

「?」

「体調を気にしていただけだ」

〖お前、余計気分悪くなることするな?〗

〖まぁ、こいつらの状態なんてもんは

悪くたって変わらないけどな〗

「………」


「「(女の人が沢山いて、)」」

「「(逃がさないようにしてるから)」」

「「(てっきりこの人達を

何かすると思ってたけど…)」」

「「(品質を問わないのか?)」」


地面が擦れる音がした。

〖お、この音は〗

「(古い車のエンジン音。偉い奴、か)」

〖お前は新入りだから挨拶しとけよ〗

「……」


扉が開く。

入ってきたのは数人の黒服。

偉い奴、という人は誰なのか分からない。

「こんにちは、此処等の頭さん?」

その内の一人に歩み寄った。

〖そうだねぇ、一応は〗

「(…見るからに弱そうだな)」

よく分かったな、僕には皆同じ人に見える。


〖見慣れないけど、新入りちゃん?〗

〖そのようです〗

頭は目線を此方に向け、手を差し出した。

〖よろしく〗

「よろしくお願いしま…」

「…っ!?」

僕は空中に回った。

そして着地した。

「(こいつ…)」

〖………〗

〖何かしてた?〗

「…特に何も」

〖そりゃ凄いねぇ〗

よく咄嗟に動けたな。

「「(そこじゃないでしょ…)」」

「「(出会い頭に投げ飛ばそうとするって)」」

「「(常人ではないよね)」」

「「(気は抜けないってことか)」」


〖…じゃ、始めるよ〗

〖〖〖はい〗〗〗


〖離して!〗

〖何処に連れてく気!?〗

〖何処でしょうか?〗

〖少なくとも君は行きたくない場所〗

女性が一斉に

何処かへ運ばれようとしている。


「……」

「「(いいの?連れてかれて)」」

「「(本当に何がしたいの?)」」

「「(助けるんなら、今じゃないの?)」」


僕は、小さく出現したものを操作し、

女性達を連れて行く集団に交ざった。

男達と同じく女性を移動させようとしている。


それから少し後、

外から大きな嫌な音が聞こえてきた。

〖!?〗

〖サツだ!〗

〖なんでここが〗

〖おい誰がやった?〗

〖お前か!?〗

〖こいつらの携帯は全て捨ててきた筈だ!!〗

「……」


〖?〗

〖っおい!女がいない!!〗

〖あ?〗

〖もう行ったんじゃねえの?〗

〖それが…トラックごと無くなってるんだ〗

〖GPSが反応しない!〗

〖……〗


〖おい〗

「?」

〖研究者だったよな?〗

「元、な」

〖お前だろ〗

「さあ」

「研究なんて既に何年も前に諦めている」

「私にそんなことが出来るとでも?」

〖……〗


〖こいつ怪しいぞ〗

〖取り押さえろ〗

何人もの男が僕を捕まえに来る。

僕は1歩も動かない。

「…よくここまで来たな」

「我ながら驚きだ」

「「(逃げて、逃げてよ!)」」

「「(きっと酷い仕打ちにあうから!)」」

手をかざす。

瞬間、走っていた集団は消え去った。


〖な…〗

扉が開く。

大勢の人がなだれ込んで来た。

その人達に捕まる集団。


〖残念だな。新入りに裏切られるのは〗


後ろに人…頭が立っていた。

此方に何かを向ける。

発砲音がした。

それだけは覚えている。

「……(はーぁあ)」

その場に座り込んだ。

「(疲れた)」


「(でも15人、いや)」

「(今回はそれ以上の収穫だ)」


「(一気に集めるのは苦労するが)」

「(これで1つ、此処の浄化が出来るなら)」





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