First of all
〖あの〗
〖これだけの平地を、何に?〗
〖現時点ではこの施設を拡大する方向だ〗
〖拡大して、それからはどうしますか〗
〖そこからは言えないな〗
〖お前が手伝えるようになるまでは〗
〖(何の実験をしているのか…)〗
〖……〗
715__ _
〖……〗
〖あ、エムさん〗
「……」
〖どうか、しましたか〗
「…少し放っておいてくれ」
〖……〗
〖入れ〗
「……」
「進行は順調だ」
「森の方はもう片付く」
〖……〗
「どれだけ大きくなるかは分からないが、
広い土地を確保しつつある」
「あとは町人なんだが」
〖家が邪魔か〗
「…邪魔ではないが、
森にも建物を建てるのなら 遠いだろう?」
「私は近くにあるか、繋がっていた方が楽だ」
「森に行くのに、あの通りをあまり通りたくもない」
〖……〗
「町人の住居を飲み込むようにしたらどうだろうか」
「より広い面積を有効に活用出来る」
〖……〗
「町人にとっても、
より安全な暮らしが出来るメリットがある」
「なんせ、警備が整った
建物の敷地内での生活が可能だからな」
〖……〗
〖考えておこう〗
「(飲み込まなくても)」
「(移動に支障が出なければ…それで)」
「……」
「(遠くと連絡がとれれば
そんなことも考えなくていい)」
「(色々と開発しなければならない)」
「……」
〖どうして〗
〖うん…〗
〖おねーさんは、悪い〗
〖……〗
〖ゆるさない〗
「…!」
「(あぁもう、引きずっている場合か)」
「(研究者として
冷静でいなければならないのに)」
「(いちいち私が持たなくなりそうになる)」
「(苦しい…)」
「……」
「建物が大きくなるんだ、Jも合流して更なる発展を」
〖(Jは、今頃何を進めているのか…)〗
〖(あいつは変わった奴だ)〗
〖(しかし、頭の切れる奴だ)〗
〖(拡大に向けて、話し合うとするか)〗
❲……❳
『何してるの?』
❲これか❳
❲皆の所持能力やステータスをまとめている❳
『へぇ』
『覚えてるんだ』
❲いや❳
『?』
❲Aに手伝ってもらっている❳
“……”
❲ランクまで分かるんだとよ、有能だよな❳
『確かに、能力が有るから』
❲(そうじゃない)❳
『…エルってさ、どんな能力持ってたっけ?』
❲言語理解、表音だっけか❳
“博士、一つ抜けています”
❲え、何かあったか❳
“認識です”
『そんなのあった?』
❲知らねぇな❳
“この頃、エル様に変化がありました”
『変化?』
“今まででは有り得なかったような”
『……』
❲………❳
❲急に出来るようになったといえば…❳
❲フィンに行き始めたな❳
『…それ?』
『それは、パズルを見つけたからじゃ』
“試してみては如何でしょう”
“エル様が帰り、現在此処に居ますから
もし「何人迄しか移動できない」というような
人数制限があったとしても 問題ないでしょうし”
『それで出来たらパズルのおかげ』
『…出来なかったら』
“はい”
“能力を持ったエル様でしか
成せない事かもしれません”
何かあったのか。
『え、エルの能力が❲お、おうエル!どうした❳
❲こっちは特に何もないが…?❳
そうか。
『……《なんで言わせないんだよ》』
❲直ぐに人に話すな❳
❲よりにもよって本人だ❳
❲これは試してからだ、まずは❳
『…』