Information sharing
〖あっ、また行ってきたんですね〗
「?」
〖(保護者じゃないけど、心配だな)〗
〖疲弊具合はどうですか?〗
「別に」
〖……〗
〖(戻った)〗
〖(正気を取り戻したのか…
それとも別の原因が?)〗
711__ _
「私の意識が無い間、何が起きていた?」
〖え、意識ありましたよ〗
「え」
〖…覚えてますよね?〗
〖今日の朝の事とか〗
「……私は何をした」
〖会議ですよ。ほんのさっきです〗
「………」
「一つ残らず、教えてくれ」
〖…?はい〗
〖(覚えてない…?)〗
おそらくフィンだろう所に、
大きな建物が建っていた。
『それは町に?』
「「うん」」
中には研究者が大勢居た。
『あっエムもその一人?』
そうだな。
「「結構重要な役目があったみたい」」
『へー凄いね』
『その役目はした?』
いや、休め休めとばかり言われた。
『研究か……』
❲何だ?研究内容は❳
「「分かんない。エムともう一人…と
別の地域の一人しか まだ知ってないんだってさ」」
‘(別の地域?)’
本人は知っているが、僕達の時は
丁度良くと言って良いほどに
内容に関する情報は手に入らなかった。
『まぁ、そこまで知ることは出来ないかもね』
『あくまで中身はエルだし』
『それと、僕の予想は当たったね』
‘ずるいような気がするんですが、気のせいですか?’
“ヒントを得た上で当てるのは
あまり価値がありませんね”
『ぐ…今は何言われても大丈夫な気がする…』
❲今だから言うが、エヌは昔…❳
『あぁいや、そういうことじゃない』
『それはさすがに今の僕でも 何かしらしそう』
❲……(駄目か)❳
‘気になります!その話聞きたいです’
❲聞くか?歴代のエヌの失敗、失態ストーリーを❳
『あの?ん??』
❲失礼しました❳
『…町って前と変わらない?』
そうだな、大体は。
店が沢山出ていたのは変化だな。
『店か。増えたってことは栄えてるのかな』
「「そうでもないらしい」」
「「客に飢えてるって」」
『…もし、エルが外に出ていたら大変だったと思う』
大変だった。
エルが。
「「もうさ、エルは
何もしないっていうか出来ないから
ボクが皆しないといけないんだけど、
勧誘みたいなのがいっぱいあって
想定外っていうか…」」
『……表音の宿命』
「「違うと思う」」
パーツは此処と同じく小屋に。
その裏に秘密基地があった。
『新しいね』
‘秘密基地…この響き、子供が好きそうですよね’
‘あ、私は子供の気持ちは分かりませんけどね’
“矛盾してますよアイ様”
『なんか先回りに子供関連を消しに来てる』
『(けど抜けてるな)』
「「基地でも疲れに疲れたよ」」
『疲れないけど?』
「「……精神を消費した」」
‘(精神を消費した!?)’
ずっと子供の相手をしていた。
愛想笑いと気遣い。そして寛大な心(建前)。
『…あぁ』
「「でしょ?疲れるでしょ」」
『お疲れ様……』
“エル様、基地でも何か?”
仲間になって、歓迎会をしたな。
それだけだ。
‘か、歓迎会…?’
お菓子とジュースで乾杯。
‘……(羨ましい)’
“そうですか、羨ましいですか”
‘あっ、いえ?そんなことないですよ’
‘さっき、食べたじゃないですか…お菓子’
“……”
‘(だだ漏れ…
能力は便利だけど、そこまで働かなくていい)’
フィンに行く回数が増えるほど、
エルは僕の体を操れるようになってきているのか?