表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
T o w n  作者: 街灯兎
C i ty
130/188

Wake up from hallucinations

‘ご馳走さまでした、A!’

‘美味しかったです!’

“ありがとうございます、アイ様”


『う~ん、満足』

❲(あの大きさは…もしかして、

大人が摂取する栄養を気にして……)❳

『そこまで気にしてはないよ、多分』

❲そうか?俺は優しさと捉えておく❳

『そう』



710__ _


「(確かに美味しかった……が)」

「アイ、すまない」

‘え?’

「私は此処で、のんびり過ごしていられないのだ」

‘……そうなんですか’

「なので、失礼する」


‘待ってください!’

「?」

‘その、何処へ行くんですか?’

「研究室だ」

『(あっ、予想当たってるかも)』


‘此処からですか?’

「そうだ」


「失礼する」

‘待って下さい!エムさん!’

「…?」


‘多分、エムさんは自分の力でそこに戻れないです’

「……」

‘その、何というか…’

‘ひとまず待っていて下さい’

「?」


「(移動しなければ、目的地には近づけない)」

「(まさか、待っているだけで戻れるとでも)」

‘そうです’

‘待っていれば、直に戻ります’

「…」

‘エムさんにとっては幻覚なんですから’

「(幻覚……此処は、本当に幻覚か…?)」

「(幻覚自身、幻覚だと理解しているのか?)」

「(私はアイにその事を話していないのだが…)」


『(幻覚でもなんでもないけど…)』


‘家に居るのがダメだったら歩きますか?’

「(そういうことでは…)」

「(何なんだ)」

「(アイを傷つけたくない)」


「(私は今どんな心境なんだ…?)」



会議も終わり、自由の身になった。

これでエルに戻れる。


「「ねぇ、あの小屋行くとさ」」

そうだな。

お別れに何か持っていこうか。

「「エムは戻っても居るんだけどね」」

「「(でも、外にあまり出ないとか言ってたし、

実質これが最後かもしれない)」」


お菓子を持っていこう。


歩く。

明るい内は、人が多いので

夜よりは監視が薄い。


町に出る。

客を欲している店が並んでいる。

大通りではなく裏道を進むことにした。


近道ではないが、声をかけられる事はなかった。

仕込みをしていた人には何度か見られたが。


小屋に着く。


後ろに回り、基地に入る。

……

中には誰も居なかった。

「「(これでもう、愛想笑いは無しだ)」」

此処で子供達が来るのを待っている訳にもいかない。

分かりやすい所にお菓子を置いて出ていった。



「…一人にさせてくれ」

‘…はい’


「(これは幻覚症状だ)」


「(見えない力が私を引っ張ったり)」

「(人が虚空に現れたりするのは

現実では有り得ないことだ)」

「(私は幻を見て、呑気に出来る者ではない)」


「(幻と馴染み過ぎては

私の目覚めはより遅くなるだろう)」

「(私が動けない間

誰が物事を進めるというのだ?)」

「(一刻も早く戻らなければ。進行が滞る)」


「…」


「……?」



『おかえり』

ただいま。


『何か変化あった?』

「「もう、沢山」」


此方は

『あんまり無かったかな』


❲男、女、女だろ?じゃあ次は❳

‘男ですね!’

“女3続きもあります”

❲そうか、そういう考えもあるか❳

『ちょっとー』

『情報の共有しようよ』

「…」


「(夢遊病に似ている…)」

「(私はここまで来ていたのか)」


「(戻れたのは助かった)」

「(また同じ事が起きないよう

体調を万全にしていかないとな)」


「(急いで戻らねば)」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ