表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
T o w n  作者: 街灯兎
C i ty
107/188

Grandfather

「「帰路って何?何処?」」

「「また砂漠?外?」」


まずは内部から探そう。


604__ _


森への道が少しあるな。

これも今まで無かった。

「「獣道じゃない?」」


この先に何かあるといいのだが。


勘と記憶を地図に、探し当てる。



村と違って増えたものがある。


小屋だ。


街で見た小屋とは言えないが、

村からは進展してきているようだ。


「「へぇー」」

「「町には小屋があるんだ」」


あの時のように、小屋に

本棚やら家具やら蜘蛛の巣はなく、

新築のような新しさを感じる。


「「でも、中は荷物でぐちゃぐちゃだね」」

古く見えるな。

「「誰か住んでるのかな?」」

小屋に…


〖何をしておる、泥棒か?〗

「「!?」」


泥棒?まだ何も盗んでいない。

「「(疑われる考えを持たないでよ…)」」

〖これだから町の輩は〗


声の元が分からない。

何処だ。


〖後ろじゃ後ろ〗

…居ないじゃないか。

〖ここじゃ〗

「「(まっ横に居た……びっくりした…)」」


〖…エスか?〗

〖……〗


「「……」」



〖お"ぉ~きくなったのう~〗

??

〖はっはっはっ、そうかそうか〗

??

「「……」」


満面の笑み。


〖覚えてないじゃろうが、ワシじゃよワシ〗

ワシ?…鷲?

「「(誰?)」」


〖エスのお父さんのお父さんじゃ〗

祖母か?

「「祖父ね」」


〖おっ相変わらず美しい声を持っとるな…〗

〖あれから何年経ったかのう〗


この人は何を発しているんだ。

「「(まぁまぁ)」」


〖ところで、久しぶりじゃな〗

〖恨んでおるか?〗


「「(唐突的な言葉選択)」」

恨む、この老人を…ないな。初対面じゃないか。


〖…仕方がないの、それだけは〗

〖本当に悪かったと思っておる…〗


「「(勝手に話を

何処かへ持ってこうとしてるよ)」」


〖本来は、ワシの性格上

孫に恨まれたら

悲しくて悲しくて二度と現れることはないのじゃ〗

「「(弱いな)」」

〖それでも何故

今ワシが此処に居るのか分かるか…?〗

仲直りの為か?

「「(恨みの仲直りって出来るの?)」」


〖子孫に伝えておくべきことを

伝え忘れておったからじゃ〗

「「……」」


〖(前にも言った事があるが

覚えてないじゃろうし)〗


〖だからこうして、

無理矢理にでも現世に来てな、

小屋に居候しとるわけじゃ〗

「「あぁ、死んでるのか」」

〖ひ、酷…でも、その気持ち、よく分かるぞ〗


なんなんだ、この会話らしき会話は。


〖エスが小さい頃にしか会っていないからの〗

〖当然の反応よ〗

「「…」」



「何と呼べば?」

〖気軽にお爺ちゃんとでも呼んでくれんか〗

「…お爺さん」

〖(きょ、距離がある)〗


「それで、何ですか?伝え忘れって」

〖あぁ…それはの……〗

「「…」」


〖「白髪に気を付けろ」じゃ〗

「白髪…」

〖わ、ワシではないっ!

全ての人に当てはめるものではない!〗


「じゃあ何ですか」

〖古い言い伝えじゃ〗

昔からの伝言か?


〖いや、占い師が言ったのか?〗

占いをする人か…町には居るのか?


〖あ、いや…何だったかのう〗

「はっきりしてください」


〖すまぬ、伝達の途中で

バグってしまっていたようじゃ〗


「単にもの忘れが原因では?」

〖うぐっ〗

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ