Grandfather
「「帰路って何?何処?」」
「「また砂漠?外?」」
まずは内部から探そう。
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森への道が少しあるな。
これも今まで無かった。
「「獣道じゃない?」」
この先に何かあるといいのだが。
勘と記憶を地図に、探し当てる。
村と違って増えたものがある。
小屋だ。
街で見た小屋とは言えないが、
村からは進展してきているようだ。
「「へぇー」」
「「町には小屋があるんだ」」
あの時のように、小屋に
本棚やら家具やら蜘蛛の巣はなく、
新築のような新しさを感じる。
「「でも、中は荷物でぐちゃぐちゃだね」」
古く見えるな。
「「誰か住んでるのかな?」」
小屋に…
〖何をしておる、泥棒か?〗
「「!?」」
泥棒?まだ何も盗んでいない。
「「(疑われる考えを持たないでよ…)」」
〖これだから町の輩は〗
声の元が分からない。
何処だ。
〖後ろじゃ後ろ〗
?
…居ないじゃないか。
〖ここじゃ〗
「「(まっ横に居た……びっくりした…)」」
〖…エスか?〗
?
〖……〗
「「……」」
〖お"ぉ~きくなったのう~〗
??
〖はっはっはっ、そうかそうか〗
??
「「……」」
満面の笑み。
〖覚えてないじゃろうが、ワシじゃよワシ〗
ワシ?…鷲?
「「(誰?)」」
〖エスのお父さんのお父さんじゃ〗
祖母か?
「「祖父ね」」
〖おっ相変わらず美しい声を持っとるな…〗
〖あれから何年経ったかのう〗
この人は何を発しているんだ。
「「(まぁまぁ)」」
〖ところで、久しぶりじゃな〗
〖恨んでおるか?〗
「「(唐突的な言葉選択)」」
恨む、この老人を…ないな。初対面じゃないか。
〖…仕方がないの、それだけは〗
〖本当に悪かったと思っておる…〗
「「(勝手に話を
何処かへ持ってこうとしてるよ)」」
〖本来は、ワシの性格上
孫に恨まれたら
悲しくて悲しくて二度と現れることはないのじゃ〗
「「(弱いな)」」
〖それでも何故
今ワシが此処に居るのか分かるか…?〗
仲直りの為か?
「「(恨みの仲直りって出来るの?)」」
〖子孫に伝えておくべきことを
伝え忘れておったからじゃ〗
「「……」」
〖(前にも言った事があるが
覚えてないじゃろうし)〗
〖だからこうして、
無理矢理にでも現世に来てな、
小屋に居候しとるわけじゃ〗
「「あぁ、死んでるのか」」
〖ひ、酷…でも、その気持ち、よく分かるぞ〗
なんなんだ、この会話らしき会話は。
〖エスが小さい頃にしか会っていないからの〗
〖当然の反応よ〗
「「…」」
「何と呼べば?」
〖気軽にお爺ちゃんとでも呼んでくれんか〗
「…お爺さん」
〖(きょ、距離がある)〗
「それで、何ですか?伝え忘れって」
〖あぁ…それはの……〗
…
「「…」」
〖「白髪に気を付けろ」じゃ〗
?
「白髪…」
〖わ、ワシではないっ!
全ての人に当てはめるものではない!〗
「じゃあ何ですか」
〖古い言い伝えじゃ〗
昔からの伝言か?
〖いや、占い師が言ったのか?〗
占いをする人か…町には居るのか?
〖あ、いや…何だったかのう〗
「はっきりしてください」
〖すまぬ、伝達の途中で
バグってしまっていたようじゃ〗
「単にもの忘れが原因では?」
〖うぐっ〗