For S
「「持ち場…」」
此処は
建物、か?
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「「…てっきり、この大きな
町一番豪華な家だと思ったんだけどなぁ」」
人に家の方向を教えてもらったが、
大きい家と隣にある家畜小屋のような所があった。
僕の持ち場は豪華な家だろうと思い、入ろうとすると
入り口に居る二人の人類に阻まれた。
悟る。
隣だ。
という経緯である。
「「いやいや、ここは家畜専用の家だよ」」
人が住む所ではないな。
通りかかった人が不思議そうに眺めている。
「あ、すみませーん」
〖??〗
「ここ、ボ…私の家ですか?」
〖……〗
〖そうだけど〗
〖それが何か?〗
微笑みながら通り過ぎていった。
「え、」
〖…(今更?)〗
?家なのか。
ならば入ろう。
「「待って 止まれ能力主」」
?
「「おかしいでしょ」」
何処がだ。
「「人が家畜と同等に扱われている事!」」
明確だな。
「「村の時はこんな所無かったよね?」」
新設されたんだな。
「「少しは疑問に思え……」」
だが、持ち場ということなので待機していよう。
「「……(振り出しに戻った)」」
〖あんた、早く行きなさい〗
突然外から呼び掛けられた。
僕のことか?行こう。
〖………〗
「………」
少し年をとっていると推定される
男の人の前に立たされた。
周りには女の人が何人か居る。
〖どうした、習慣を忘れたのか?〗
?
習慣?
女性、この場においての習慣があるのか?
「「(まず、)この人誰」」
〖おい誰だ〗
〖私らは何も〗
〖そうです、こいつでしょうよ〗
〖…礼儀も忘れたのか〗
礼儀か。
確かによく知らないような気もしてきたな。
「「(まぁ、街では)あんまり必要ないからね」」
〖………〗
〖…今日は生意気だな?エス〗
「……」
この人の顔の圧力が凄まじいな。
「「(エス?)」」
「「(なるほど…)」」
「「(ボクらはエスっていう女性になって、
今こんな状況になっている、と)」」
「「(ケイの時みたいな面倒くさい感じか?)」」
〖……〗
〖……〗
〖……ふっ〗
周りの女の人達は何の為に此処に居るのか。
〖いつもよりも叩き込まねばいかんな〗
何をだ、太鼓をか?
「「……(純粋にも程がある)」」
男の人が片手を出すと
すぐに女の人が何かを渡した。
それを何だ?どうす
足に着けた。
「「(履いたの間違いじゃない…?)」」
そしていつの間にか
両手を縛られているが気にしない。
「「(気にするべき)」」
〖お仕置きだ〗
「………」
『どうしたの?』
「いえ、何でもありません……」
『もし何かあったら誰かに言ってね』
「……ありがとうございます」
❲よ、よし❳
❲エスさんの為に、情報を集めてくる❳
『早速動き出した……』
〖(ってこれでいいのだろうか…)〗
〖(いいや!エスの為、エスの為……)〗