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T o w n  作者: 街灯兎
Awake
1/188

Nothing

街から人が消えたのは


いつからだったのだろう


僕は毎日のように


ここを見渡している



感覚は


何年も前からあるもの


意識は


数時間前に始まったばかりのもの



今日はどんなことをして遊ぼうか


何を探し求めて


どこで終わりを迎えようか



朝も夜も無くなった


見慣れた街路を歩くだけの


僕の時間は


それ以外には使えない



000__ _


一番最初に見たもの


街。

そこには沢山の人と動物がいた。

賑やかな暮らし。

豊富にあった食料。


僕は 家族皆に愛されていた。

街中は幸せに溢れていた。



…本当にそうだったのか。



家族って何だろう 幸せってどんなもの


記憶が曖昧で

あの時見た光景が

本物だったのか 確信が持てない。


目を開ける


有り余るほどの 寂しげな建物は

ただでさえ信じがたいことを

ねじ伏せ 否定しているように思える。


…ほとんど覚えていないことは


思い出そうとすると

もっと忘れてしまう気がして

また非現実な現実に戻る。


考える。



僕は独りだ。


でも、何も感じたことはない。


僕は始めから何かを失ったまま

ここまで生きてきたのかもしれない。

それを、探せば


その何か__ さえ分かれば


今までの記憶が


僕の存在意義が


少しでも。


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