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4 ギルド

冒険者ギルドにて。


「ルベロの魔石ですね。お客様は冒険者登録がお済みでないようですね。魔石の売却には冒険者登録が必要になります。登録されますか?」


「まじですか。このシーンもやるんですか?もう見飽きてると思うんですが。政治家の不祥事くらい見飽きてると思うんですが」


「マジです。やります。確かに私は毎日ここで仕事していますから見飽きてますが、あなたは初めてでしょう。セイ鹿が負傷した所はそこまで目にする機会はないと思いますが」


今の発音からするにセイ鹿という鹿がいるらしい。


「そういうわけじゃないんですが。あとセイ鹿って食用ですか?食べたら金運上がったりします?」


「金運が上がるかは知りませんが美味しいですよ」


まじか、後で探してみよう。


俺は助けた男が言っていた、近くの街のギルドに来ていた。因みに歩いてきた。歩いて行ける距離なのにあの能力を使ってゲロる必要も無い。そのせいでもう日が沈みかけてるが。


冒険者ギルドの受け付けの三十代くらいの女性に頼んで冒険者登録をしてもらい、ルベロの魔石を売る。


「登録の手数料を引いて4000zになります。こちらが冒険者カードになります。再発行は面倒なので無くさないでくださいね」


そう言って装飾の施された銀貨やら銅貨やらを渡される。


冒険者:ハル(100 354 608)

年齢:19

性別:♂

ギルドポイント:0

ランク:E

パーティ:なし

備考:


まぁよくあるカードだな。クエストやってギルドポイントを稼いでランクを上げてって感じの。


「ギルドの規定についてお話しておきますね。当ギルドでは一年四百十日を二百五日で分けて前期、後期としています」


一年は四百十日らしい。それでもこの温かさという事はこの世界の恒星は太陽よりも大きく高温だということなのか。


「前期後期の最終月の一週間でギルドポイントのチエックを行い、前回のチェックから5000ポイント以上の増加がなければ罰金かつギルドからの追放となります」


「すいません、一ヶ月って何日ですか?」


ついでに尋ねてみる。


「え……。一ヶ月は五週で、一週間は八日です。月の最後の週のみ九日となり、一ヶ月は四十一日ですが」


受付嬢がこちらをジロジロと見てくる。

なんだ。流石に一ヶ月何日かも知らない無知な人間はギルドに入れられないのか?


「どうかしましたか?」


努めて平静を装う。


「いえ、で、えーと、次は税金に関してですね。所得税はクエストごとの報酬から二割を源泉徴収させていただきます。入頭税はギルド税と一緒に各期末に収めてもらいます。今は五月三十日ですから、三日後から徴収を始めます。冒険者登録をして最初の徴収が二か月以内の場合は、徴収は次期に繰り越しになります」


「ギルド税ってなんですか?」


「一部はギルドの運営に、一部はこの街に収める税ですね。冒険者の方は他の多くの税を免除してもらっているのでその代わり、ということですね。これは入頭税と合わせて10万zとなります」


なるほど、ということは後期末には20万z払わないといけなくなるのか。


「次にギルドランクですが……」


その後は、ギルドランクやパーティ、冒険者としての心得などを説明された。

別に冒険者として名を馳せたいわけでもないので、いつものようにテキトーに聞き流した。




「以上になります。何かクエストを受けていかれますか?」


どうやら終わったらしい。


「いや、今日はやめておきます。ところでここら辺の宿っていくらで泊まれますか?」


「この近くですと、一泊2000zくらいですね」


日も暮れたし、まだ頭も痛む。今日はもう休んで明日から資金稼ぎとしよう。



***



しばらく街を歩いていると宿を見つけた。

宿をとり、部屋にある備え付けのベッドに寝転がる。


どうやらこの世界は自転速度が早いらしい。手元に時計はないから正確な時間はわからないが、そんな気がする。


時計でもあれば正確な時間がわかるのだが。

この世界には時計はあるのだろうか。転生者がいるってことはありそうだな。転生者ギルドがあるくらいだから、様々な知識が持ち込まれてそうだな。


その時扉の外で人が歩く音がする。


なんだ?他の客か?


しかしその音は俺の部屋の前で止まり、今度はドアをノックする音が聞こえる。


コンコン


「お食事をお持ちしました」


へー、食事のサービスもついてるのか。


「あ、今開けます」


鍵を開けてドアを開ける。

そこには金髪赤眼の女がたっていた。年齢は十七か八か。ボブヘアーの金髪はケープのフードにより隠れているが、僅かに見えるそれは手ですけば引っ掛かりがなさそうな程に綺麗。身長は俺より少し低いくらい。容姿はそこそこに可愛いくらいか。学校にいば上の下。とても可愛い訳ではないが、それでも十分に可愛いのではないか。


おっと、今はこれまでにないくらいの長文で、目の前の女性を分析をするべき時ではない。


その女は食事を持っていない。格好も宿で働いている人だとは思えない。

女は俺が開けたドアから部屋に入り、後ろ手で鍵を閉める。


あれ、これなんかヤバい状況か。転移者だとバレて厄介事に巻き込まれたか?


「あのー、部屋を間違ってませんか?」


「……」


次の瞬間、女が襲い掛かってきた。




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