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転生魔族とギルドカード

今日は早め投稿させていただきます

 ギルドカード、その名の通り。ギルドによって発行されたカードのことである。


 その機能は万能、己の身分を証明できれば、現在受けているクエストが達成しているかどうか、過去に受けたクエスト、更に過去のクエストの成功か不成功かすら分かってしまい、他にも色々とある。


 と、受付の女性から聞いたのだが、俺はそんなことはどうでもよかった。

 これは見た感じスマホだ。材質が若干、いやかなり違うが液晶にこの形、使い方の実演でも液晶画面が光ってホーム画面になった。

 どうやらこれは魔道具の類いらしくこれは太陽の光で魔力を吸収し蓄えるのだそうだ。これもソーラー電池みたいだ。


 液晶は『クリスタル・スクリーン』と言う水晶で作られているようで、登録した人の指でしか反応しないらしい。なんとも便利だ。


 そして、俺はリリーの方をチラっと見た。

 リリーも俺の方をチラっと見る。

 どうやら、俺が言いたいことを感じ取ったらしい。


 この大きさに、周りが革のような物に包まれている。つまりこれは。


「「あの時のカード!」」


 あの独り身の男共が目を充血させながら見ていたのは、このギルドカードだった。

 なぜこのような物を凝視していたのか。それはギルドカードを弄ってものの数分で見つかった。流石に秒では無理だったよ。

 それは――


「スレじゃねえかよ」

「スレ――?」


 そう、ネットの掲示板とかでよくやっているそれがまんま異世界バージョン化しただけだった。


 内容は次の機会に改めさせても合うがこれはなんとも、非リアの怨念が詰まったスレがここ数日で100近くあった。さすがに怖い。


 しかし、使えば使うほどに奇妙に思える。

 使えば使うほどこれは丸っきりスマホなんだと実感してしまう。初期機能のマップカメラなどは無かったが、インターネットという名のスレがあったり、使いどころを見極めれば情報がかなり収集されることになる。

 ゲームは入っていないなあ、非常に残念だ。


 リリーはもう既に飽きたのか右側にある酒場で人気ものだ。

 流石戦闘スタイルがアイドルなだけあるな。早速荒くれ者の冒険者をリリーファンクラブの会員に変えている。

 もう、これで金が稼げるんじゃね? って、一瞬思ってしまった。

 更にリリーも人付き合いがいいから人気上昇、株が上がる上がるでもうどうしたのもかと悩みどころだな。リリーに変な虫がつくのだけは何とかして防がないとな。


 何となくだが使い方を把握した俺はリリーのもとに行く。


「リリーそろそろクエスt……ん? どした?」

「ふにゃあ、隊長れぇすかぁ~。もうギルドカードをいじり終えたんれぇしゅかぁ~?」

「……酔っているな?」


 頬を赤らめ、ヒクッとシャクリを上げる。

 何より手には酒瓶があった。

 俺でもリリーの酔った姿は初めて見た。てか、酒飲んでいい歳だったんだな。そこに驚きだよ。


「よってなんかいにゃんれすよぉ~?」

「いやいや、呂律回っていないし、しかも何故に疑問系なの?」

「あははは、隊長が二人れぇす! あはははは」


 あー、やばい悪い良い方してるなあ。

 前世でもこんな奴いたなあ、隣の席に座っていた俺に絡んで最後に俺のジーパンにリバースした女性が。

 あれは壮絶だった、あのジーパンは終始臭いが取れなかったから捨てたんだっけ。

 その後酔いが覚めた女性がめっちゃ謝罪してたなあ。


 今のリリーを見て思い出すほどにこいつは酔っていた。


 だって、現にもう寝てるし。


「スースー」

「…………」


 周りの冒険者も押し黙るほど、寝るのが早かった。

 うん、もうリリーには飲酒は禁止させる。


 結局クエストは後日に後回し、熟睡しているリリーを宿までおんぶして帰ることになった。

 はあ、酒代に今日の宿代、そして三食代。金が減っていく一方だ……はぁ……

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