人間いないってどういうことぉぉぉお!
初作品のみっつめです。文才ないです。
いつも通り朝が来て目が覚めた。
確か昨日は面倒な仕事も終わり、私の直属の上司がイケメンだからって嫌みを言うお局様からも解放されて、浮かれて居酒屋で1人打ち上げをした。そしたら、元彼を見かけたから、いい気分に水をさされたくないなぁとトイレに行って気分変えようとして、えっと、もしかしてそのまま寝ちゃったのかな?夢の中で森林浴してるだなんて、かなりストレスたまってたんだなぁ。明日は休みだし、ちょっと自分にご褒美あげようかな。ショッピングにでも行こうか、それとも一日中ゴロゴロしてみようか。
「これ、娘よ。現実逃避するでない」
なんか目の前ででっかいカメがしゃべってる。なんてファンシーな夢なんだろう。ちょっと二日酔いで頭痛いから黙ってくれないかな。
「これ、娘。聞こえておるのだろう?」
私の夢で私の希望を無視するだなんてカメのくせに。今度から1人で焼酎10杯はやめておこう。
「おい!そこののっぺりした顔で毛がない雌!長が話してるのに無視するとは何事ぞ!」
「ちょっと!のっぺり顔気にしてるのに乙女になんてこと言うの!」
反射的に言い返してしまったが、いましゃべったのはカメの横にいる猿だろうか。
「のっぺりしてるだろうが!お前、毛はないが俺と同じ種族か?なぜ長の住処にいる?」
「うるさい!こっちは頭痛いのよ!私は人だし、猿なわけないでしょ!そもそもなんで亀と猿がしゃべってんのよ!猿カニ合戦ならカニでしょうが!」
カメが不思議そうな顔をしながら、話し出した。
「人とな?そのような種族はこの世界にはおらぬ。確か神々の伝説でこことは違う世界にそのような種族がいると聞く。もしや、そなたは異なる世界からの稀人かの。」
カメの言うことが理解できない。そもそもここは夢でしょ?異なる世界って、私どんだけファンシーな頭してるんだ。小説の読みすぎジャマイカ。あーオヤジギャグ言うとか、まだ私酔っぱらってるわ。人間いないとか、ボッチに憧れてたのかな私。
「どうせなら人化したイケメンドラゴンとか出てくりゃいいのに…」
まわらない頭で考えたからか、願望が口からこぼれた。
「ドラゴンはいるが、人となることはないぞ?そもそも人がおらぬでな、人になる必要がないゆえ」
カメの言葉を頭の中で反芻する。
「人いないとか、私は誰とつがえばいいんだ。夢ならここはイケメンの獣人とか色々あるだろ私。ってかほんとに夢なんだよね?長いなーはやく覚めないかな。もしこれが現実なら私の人生、処女のまんまだなー。いやいや、現実とかありえないから。うんうん、夢だ夢」
「かわいそうだとは思うが、ここは現実の世界じゃよ」
カメが私の独り言に訂正を入れてくる。
え?マジで現実?夢じゃないの?まっさかぁーwないない、いやほんとない、マジないわー、ほんと勘弁、ほっぺつねってみよーっと、痛い。神様ごめんなさい、私何か悪いことしましたか?夢じゃないとか、泣きそう。
ははは、とりあえず叫ばずにはいられないでしょ。
「人間いないってどういうことぉぉぉお!!」
こうして動物だけの世界に来てしまった私は、なんとしても人間がいる世界に帰るため孤軍奮闘する日々であった。
お読みいただきありがとうございました。