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長四木並絋の場合 12


第二十四節


「簡単や。元々メタモル能力は護身術やねん。自分自身が危なくならんと使うことが出来ん」

 瑛子の脳裏に細マッチョの膝蹴りを必死で防いでいるビジョンがフラッシュバックした。

「それは…一般人相手にもですか?」

「基本的にはそういうことや」

「じゃあ、スケベな男が街ゆく一般人を次々に毒牙に掛けて襲うことは不可能なんですね?」

「そらそーや。メタモル能力者は猛烈に強いんやで?普通の一般人相手に危機を感じるのはよっぽどや」

「…考えられるとしたらどういう場合です?」

「そやな…鉄砲でも持ち出されればそうなるかもしれんな」

「鉄砲…」

「閉鎖された空間での刃物なんかもそうやろ。危機感を感じたんやったら使えると思うで」

「メタモル能力者にはメタモル能力は効かないんですか?」

「フグは自分の毒では死なへんやろ?メタモル能力者はメタモル能力にナチュラルに耐性があんねん」

「じゃあ、メタモルファイトとは何です?」

「メタモル能力は確かにメタモル能力者には効果が無い。ただし、お互いに試合を了承したんなら話は別や」

 群尾の表情が険しくなる。

「…お互いを変身させられる」

「そういうことになるな」

「ちょっと待った」

 瑛子がやっと口を挟む。



第二十五節


「お互いの能力を食らえる様になるって?」

「そうや」

「…ならあんたがあたしの能力食らったら女子高生になって制服着るんだ?」

「ほー、そういう能力なんやな。…まあ、そういうことや」

 軽くポンと目の前の陸奥にタッチする瑛子。

「…何も起こらないんだけど?」

「瑛子さん!」

 ニヤニヤしている陸奥。

「かまへんかまへん。瑛子はん、メタモル能力者相手には能力が効かへんねんって。ましてや今はケンカもしてへん。一般人相手でも発動せえへんわ」

「じゃあどうすれば効くわけよ」

「お互いに試合を了承すればええねん。それでリミッターが解除される」

「あんたの能力をあたしが食らう可能性もあるけど、あたしがあんたをオンナにすることもできるってワケだ」

「そういうことや」

「で?あんたはどういう能力なの?その制服の女子版かな」

 口の前に人差し指を立てる陸奥。

「それは内緒や」

「何でよ!?あたし先に言ったよね?」

「関係あらへん。こちらから頼んだ訳や無し。そっちが勝手に名乗ってんねん」

「卑怯だろうが!」

「瑛子さん」

 くいくいと袖を掴む群尾。

「あんだよ!」

 キレモードに入りつつある。

「残念だけど陸奥くんが正しい」

「はぁ!?何言ってんだお前!どっちの味方だよ!」

「勿論瑛子さんさ。でも、こういう時に自分の能力は絶対的な秘密だよ」

「…彼氏の方が分かってるようやな。惜しいで。自分みたいなタイプはバトルにも強いんやで?」


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