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陸奥海斗の場合 06
第十節
「この戦い方初めてでここまで対応するのは見事やが、最終的にはワシの勝ちじゃ」
おしゃべりに付き合う義理は無い。多少の痛みを覚悟しつつ、ダッシュした。
次の瞬間、女子高生の不敵な笑みが目に入った。
「悪いな。ワシの勝ちや」
何故か次の瞬間、前方につんのめった。
「!?っ!」
完全にバランスを崩す。空中に放り出されたみたいだった。
最後の後押しをするだけでよかった。
陸奥に押された橋場は、そのまま派手に地面に転がった。
「きゃああっ!」
むぎゅり!と発育のいい乳房が身体の下で押しつぶされ、勢いよくゴロゴロと転がる。
「だーっはっはっは!ワシの勝ち―!」
転がりが収まり、思わず顔を上げる。
ホコリまみれになり、あちこちがほつれ、破れて「ブラひも」まで見えている。
完全に「何かあった後の就活中の女子大生」という風情だ。
茫然として何が起こったのか分かっていない。
ひゅん、と近くまでやってきてくれるセーラー服。
「自分、下半身見てみいや」
「?…あああああっ!」
そこには膝丈の「タイトスカート」があった。




