プロローグ 03
「はい!知ってます!」
静寂が訪れる資料室。
「やっぱり知ってたかこのウソツキ野郎が」
「強姦は犯罪です」
「強姦じゃねえ!生徒の方から誘ってきたんだよ」
「佐藤はそうは言ってませんでした」
男子生徒は教師の方を見ずに答える。恐怖に震えている。
「それでお前は何だ?淫乱女子生徒に嘘八百吹き込まれて、よりによって無実の教師を吊し上げようとしてたってのか?ああ?」
「嘘じゃないと思います」
「うるせえ!お前を誑し込むために佐藤は何をした?あぁ?あのビッチが股でも開いたか?」
「んなことはしてない!」
遂に大きな声を出す男子生徒。
得意げな顔になる教師。嫌らしくにやりと笑う。
「ほう、教師に向かって敬語を使わねえのか…停学…いや退学ものだな」
「好きなようにすればいいんじゃないですか」
震える声で言う男子生徒。
「偉く強気じゃねえかこのチンピラが」
「ボクはチンピラじゃありません」
「チンピラだろうが!教師を脅迫しやがってよぉ!」
「強姦は犯罪です」
今度は教師の目を正面から見据える生徒。
睨み合いとなる。
静寂が訪れる。
「確認しとくぞ。お前はこの足で警察にでも行くつもりか?」
「…ええ」
「証拠も無しにそんなデタラメ信用してもらえると思ってんのか?」
「…分かりません」
「わるいこたぁ言わねえ。やめとけ。学校とシコリを作ってもいいことないぞ?」
「そうは思いません」
「…何が望みだ?金か?成績か?希望大学への推薦状か?」
「どれもいりません」
「…そうか…お前も女子高生とやりたいってことか?やらせろってんだな」
「…」
見下げ果てた目つきの男子生徒。
「下衆が…」
小さく行った。