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シンタロウ・オガタの場合 22


第三十節


「でも…」

「愛する旦那が帰って来るんでしょ?もうすぐ」

 あちゃーという表情をするキャシー。若干ケバイが可愛い。

「ゴメンゴメン。あんたが寝てる間に届いた手紙読んじゃった。ハガキだったから」

「…そう、そうね」

「伝言。いつまでも元気にって」

「それだけ?」

「形に残るものを残したくないんだってさ。でも充分でしょ?」

「じゃーあたしはこれで。今夜の仕込みもあるから」

「ど、どうしてあなたは私に付きっきりになってくれてたの?」

「別に付きっきりじゃないけど、シンによろしく言われてるから」

「シンに?」

「あたしが個人的に偉く世話になったんでね。断れないの。あ、そーそーあんたが寝てた間、マーティカフェはウチからの派遣バニーちゃんに仕切らせておいたから」

「え?」

「まあ、バニーの格好はしてないけど同じよね。若くてピッチピチの看板娘目当ても増えて売り上げも悪くないみたいよ。その辺りご近所同士仲良くやりましょ」

 キャシーは去った。


 メグは枕元で置きっ放しになっていたスマホをいじってみた。電源はまだ入ってる!


 必死に手繰ってみると、一枚だけ一緒に撮影したシンとメグの2ショットがあった。


 …夢じゃなかったんだ。

 メグはスマホを抱きしめた。



第三十一節



 テキサスかあ…。

 またカウボーイハットを目深にかぶっているシン。

 悪くないところだったな。


 ヒッチハイクで捕まえたトラックの荷台に揺られている。

 目の前にはヒスパニックと思われる別のヒッチハイカーがこちらを怖い顔で睨んでいた。

 愛想よく笑顔を向けると視線を逸らす。


 メタモル能力は使わん積りだったが…結局使っちまったか。

 何しろバニーガールという特殊すぎる能力だもんで、余り用途が無いんだよなあ。まあ、変身させた後の相手の事なんて知ったこっちゃないと考えれば何でもいいとは言えるが。


 砂ばかりだったからなあ、次は…やっぱラスベガスかなあ。少なくともテキサスよりはバニーガールが身近だろう。

 視線を荷台の外、後方に向けるシン。夜通し走るトラックの轟音をBGMに夜明けの綺麗な空が広がっていた。




シンタロウ・オガタ 三十歳 無職 男 戦績不詳

 能力「バニーガール」。二十代半ば。グラマーが基本だが、体型・髪の長さなどはかなりの程度アレンジが可能。

 発動条件 直接接触(基本)



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