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シンタロウ・オガタの場合 20


第二十六節


「そんな…俺…オレの…からだ…が…」

「まあ、見ての通り、感じての通りさ。あんたはもうすっかりバニーガールになっちまったよ」

 日本なまりが抜けきらない英語でシンが念を押した。

「年の頃は二十代半ばってところか。悪いがもう一生治らん。これからは女として人生をやり直すんだな」

「え、えええええええーっつ!?」

「その口のきき方はなっとらんな。仕草も全部年相応の女の物にしておいてやろう」

「いや…やめ…」

「今まで散々悪いことしてきたろ?もういいんじゃないかな」

「…」

 茫然とそれを見ている黒バニーことキャシー。

「…と、いうことでピンクバニーを人員補充してあげたよ?」

「…、あたしは『ありがと』とか言うべきなのかしら?」

「どういたしまして」

「…最近の日本人は男をバニーガールに出来るのかしら」

「そんなことは無い。俺くらいだよ」

「…あ、あはは」

 乾いた笑い。

「ということで残りのメンツもバニーにしちゃおう。色を決めてくれる?」




第二十七節


「ということで、ボスのディックまでバニーガールにしちゃったねー」

「…そうだね」

 ラフなジーンズ姿でシンと一緒に飲んでいるキャシー。とりあえず仕事着を脱いだのだ。

 周囲にはピンクを始めとして、様々な色のバニーたちに取り囲まれている。

 スカイブルーで人一倍もじもじしているのがスミスの変わり果てた姿である。

「全員洗脳済みだから。本部から聞き取りに来ても絶対に真相は話さない」

「…あたしがマフィアなら新入りのバニーに尋問は余りしないかな」

「念のためさ」

「…もしかして救世主?」

「バニーズ・バーで良かったよ。俺はバニーガール専門なんでね」

「ハハハ!何よ?ならチアリーダー専門とかもいるんだ」

「会ったことは無いけど多分いるね。俺らは衣装は一種類なんだ」

「へー」

 どう答えていいやら分からんらしい。

「とにかく大事なのはこの新入りバニーたちは、キャシーの言う事なら全て聞くってこと。そういう風にしておいたから」

「そうなんだ」

「試してみて」

「じゃあスミス…じゃなくて、スージー…ピーナッツ取って来て」

「はい」

 スカイブルーのお尻を向けながら立ち上がった新米バニーガールが言われた通りにキッチンに向かった。

「あらホントだ。便利ねえ」

「ということでキミが新しいボスだ。上手くやってくれ」

「…あたし、消されるかも」

「そんなことは無い。ディックだって大したことは知らなかったさ。ここの経営を上手くやればそれくらいは認めてもらえるとも」

「でも…」

「過酷なサービスは…新入りたちにやらせればいいんじゃないかな?」

 周囲のバニーたちが軽く目を剥いた。これからの自分の運命に思いが至ったのだろうか。



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