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シンタロウ・オガタの場合 19


第二十五節


 単なるレオタードではなく、ふちにいちいち金属製のボーン(骨)が入る。いや、全体的に入った。

「やめ…助け…てぇっ!」

「助けねえよ。メグの仇だ」

「ああああっ!」

 丸く膨らんで残っていたお尻に妖艶な網タイツがかぶせられ、露出した脚線美全てを覆い尽くしていく。

 お尻からひざ裏、かかとに至るラインには「バックシーム」と呼ばれる黒くて太いラインが入って行く。

「あ…あ…」

 黒い革靴がグニグニと変形し、ピンク色の光沢を放ち、つま先がとがり、横幅がしまり、そしてかかとの下に棒が出現して全身を押し上げた。

「ああっ!」

 この時点で立たされていたケビンはつんのめりそうになる。

 怪訝な表情で見つめるキャシー。

 ケビンの身体の脇にあったひもが編み上げられる。

「っあっ!」

 手首にカフスボタンが出現し、爪に一つ一つピンク色のマニキュアが走って行く。

「あああっ!」

 大きく開いていた首元に襟カラ―が出現し、ピンク色の蝶ネクタイが施された。

 濃いチークシャドウ、アイシャドウ、マスカラが乗って行く。

「やめて…やめ…てぇええええっ!」

 お尻の上に白いうさぎのしっぽ状の飾りが「ぴよん!」と出現する。

 ため息が出るほど美しいブロンドをかき分けるように何かがわさわさと立ち上がってきた。

 突如「ぴょん!」と勢いよく上に伸びたそれはバニーカチューシャ…髪飾りだった。

「うわ…いや…いやだぁあああっ!」

 生まれたてのセクシーな唇を端から真紅のルージュがつつつつ…と彩って行く。

 同時に耳たぶが重くなった。

 軽く動かすだけでチリチリと金属音がする大きなイヤリングだった。

「ほい完成だ」

「あ…あ…」

 そこには全身ピンク色の、妖艶でセクシーなバニーガールが出現していた。



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