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シンタロウ・オガタの場合 17


第二十二節


「ふん、人並みに罪の意識があるかよ。テメエだけは勘弁してやろうか」

「…何だか知らねえが、生きて帰れると思ってんのか?」

 釣り上げられた状態でいきがるスミス。

「やれ!やっちまえ!」

 とはいえ、スミスが釣り上げられている。

 店番のサングラスたちは全員拳銃で武装していたが、店の真ん中にいるたった一人の敵を討とうとすると、外れた場合に反対側の味方に当たってしまう。

 そんなことを考えていたのが仇になった。

 釣り上げられていた苦しい状態から、銃を抜いたスミスの手をシンがはたきおとす。

 それが合図だった。

 店中の屈強な男たちが薄暗い店内で一人また一人と倒れていく。



第二十三節


「ご無沙汰。似合ってるよ」

「…」

 渋い表情のバニーガール。漆黒のハイレグに網タイツ、ダーティブロンドをアップにまとめてポニーテール状にしている。キャシーことキャサリンだ。

「…あんた本当に何者なのよ」

「正義の味方さ。あ、この言い方は日本しかないのか」

 目の前には伸ばされた男ともがうんうんうめいている。

「どうしてくれんのこの有様」

「…何故?」

「あんたはいいよ。このまま帰ればいいんだから」

「はあ」

「こいつらが元気になったらとばっちりはアタシらに来るんだからね?分かってる?」

 腕組みをしているキャシー。

 先ほどの私服では分からなかったが、流石セクシーを売りにするバニーガールだけあって豊かなバストだ。ただ、全体に着やせするらしく、グラマーなバニーガールにしてはスレンダー気味である。

「そうはならんさ」

「何でよ。まさか全員ぶっ殺す訳じゃないよね?」

 男たちの目が見開かれる。

「まさか。勿体ない」

 シンは言った。

「確かにあそこまで精密な戸籍があるのは日本と台湾くらいだ。韓国も近いか。アメリカはゆるゆるだからね」

「…だから何だよ」

「人が行方不明になりやすい」

「おいおい」

「逆もまた真なりだ」

「何を言ってんだか分からないんだけど」

「この中で特に悪いのは?」

 呻いている声。

「言えないよ」

「本人に見えない様に指さしてくれ」



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